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新規プロジェクトと二番星 ページ7

俯いたミヤコさんに、アクアが冗談めかすように言った。


「ちなみにどう?今の子、本当に雇うってのは」

「うちはアイドルもうやってないの、知ってるでしょ。それに、仲間を悪く言う子を雇うつもりもないわ」

『・・・過保護は誰でも同じって訳か・・・いっそ、新規アイドルグループ立ち上げてルビー雇っちゃえばいいのに』


冗談のつもりで、だけど少し本音を混ぜた独り言は、誰に拾って貰えるわけもなく空中に消えていった。

後日、朝から御粧しをしたルビーがポーズをとってどう?と聞いてきた。


『可愛い』

「えっへへ〜!やっぱ大事な日はお洒落しなきゃだよね!はぁ〜、楽しみすぎる〜!」

「・・・ルビー、あなた本気なのね?」


浮かれるルビーに、ミヤコさんが聞いた。ルビーは真剣な顔をしてうん、と頷く。
答えを聞いたミヤコさんは、一呼吸おいて言う。


「貴方がこれから入ろうとする世界は大変なところよ。売れなくて惨めな思いをするかもしれない。給料面だけじゃない。私生活でも・・・」

「わかってるよ!」


ルビーはミヤコさんの言葉を遮る。


「それはアクアにも言われたって・・・」

『・・・ルビー。ストーカー被害だって、身近なものになる可能性だってあるんだよ』


ルビーが一瞬たじろいだ。恐らく、ストーカーに殺されたアイのことを思い出したのだろう。


『それでも?』

「当たり前だよ!だってなれるんだよ?やっと私もアイドルに・・・!絶対、ママみたいになるんだ!」


ルビーのこれまでにないほど真剣な勢いにミヤコさんが少し目を見開いた。


「本気か?」


アクアも念を押して言う。ルビーは興奮して少し火照った顔で本気だ、と言った。固い決意表明だった。
ルビーを除いた私達三人は互いに目配せし合う。ミヤコさんが立ち上がった。


「なら、そのグループに入るのはやめなさい」

「えっ・・・?なんで・・・?私、本気でアイドル・・・」


涙目になったルビーの言葉を、ミヤコさんは遮った。


「本気なら、うちの事務所に入りなさい」


ルビーは驚いた顔をする。
ミヤコさんは続けた。


「苺プロは十数年ぶりに、新規アイドルグループを立ち上げます」


.

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作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年1月21日 23時

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