誰かを支える二番星【推しの子】part２ (ページ5)

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探りと二番星ページ5

「アイさんの件があって、可愛い妹に同じ道を歩ませたくないって気持ちには賛同できるわ。私だって、あの時ああしていたら、今ならこうしていたのにって未だに考える。あんな気持ちは、もう二度と御免。

ルビーを娘だと思って育ててきた。この子は絶対守ってみせるって。･･･でも、娘だからこそ、ルビーの気持ちは止められない。

顔立ちもどんどんアイに似てきてる。残念ながら資質がある。どのみち、こうなっていたのよ」

話を聞いていたアクアは聞く耳を持たない。あくまで聞いているだけだ。
このまま何も言わないつもりかと思えば、急に口を開いた。

「良い悪いと語る前に、やることがある。ちょっと事務所の名刺借りるよ」

そう言うと、アクアは机の片隅に置いてあった事務所の名刺を片手に取った。

「何する気？」

『なんでもいいけど、ろくでもないことしないでよ』

「･･･とりあえず、ルビーがスカウトされたグループの実情を探る。地下アイドルもピンからキリまである。ろくでもない運営だったら、議論の余地もないだろ。

ルビーがアイドル云々の話はそこからだ」

･･･シスコンにも程があるぞ、此奴。

アクアも困ったものだな、と思いながら事務作業をしていると、アクアが帰ってきた。一人の女の子を連れて。

「わぁ〜！ここが苺プロ！」

感激、と言いたげに声を弾ませる女の子に、ミヤコさんが愛想笑いを向けた。

「スカウトさん若いし、タチの悪い勧誘かと思っちゃいました」

実際そうだ。というか勧誘ですらないだろう。悪夢の域ですらある。
話しかけられたこの子には心底同情するよ。
アハハっと誤魔化すように笑うアクアに、我が兄ながら恐ろしいと思った。

「ららちゃんは今、イリブって事務所で活動してるんだよね？」

「はい」

「うちは、そこよりいい条件を出したいと思う」

その瞬間、ららさんは顔を綻ばせ、ミヤコさんと私は顔を歪めた。此奴本当に･･･アクアのことだから計算あってのことなのだろうが、見ているこっちはヒヤヒヤする一方だ。

「今、どういう感じの条件で働いてるの？」

「えっと･･･ライブ全部出る前提での最低保障給がちょっとと･･･」

話を要約すると、ライブ後のチェキ会で、撮影枚数に応じてバックがあり、それがメインの収入だそう。そこから衣装代など諸々引かれていき、移動費、メイク代は自腹。

月収は10万もいかないことが殆どだそうだ。