地下アイドルと二番星 ページ4
ミヤコさんはそれに･･･という。ルビーがオウム返しにすると、慌てたように話を逸らした。
「そろそろオーディションの当落の電話がある頃ね」
ルビーはハッとした顔になり、不安げな顔になった。
「受かれば向こう様の所属になる規約でしょ？うちよりちゃんとしてる事務所よ」
「まあ、それはそうだけど･･･」
不服そうな顔をするルビー。多分ルビーは、B小町を復活させたいんだろうと思う。しかもこの苺プロで。
私が机の上にあるカップケーキに手を伸ばした時、ルビーの携帯が震えた。
「噂をすれば」
ルビーは携帯を手に取ると、少しその場を離れて直ぐに電話に出た。
「はい！･･･はい、星野です！･･･はい、･･･はい！･･････ああ･･･そうですか、ありがとうございます」
声のトーンからして落ちたのだろう。微かに涙声になっている。
ミヤコさんが優しい声色でルビー、と呼びかけた。
「･･･ダメだった」
ミヤコさんがルビーを優しく抱きしめる。
「現実はそういうものよ。色んな政治もあるし、実力が正しく審査されることに期待してもいけない。みんなアイみたいに行くわけじゃない」
その光景を見ながら、微かに聞こえた電話の声を思い出す。
少し声色が違ったけれど、あの声って･･･
そして数日後、ルビーの口から爆弾発言が飛び出すことになった。
「「『スカウトされた？』」」
「そう！いわゆる地下アイドルなんだけどね、これって運命だと思うの！前々から地下アイドルのメンバー募集とか眺めてたんだけど、ママもスカウトでアイドルになったでしょ？やっぱ導かれてるって思わない？」
思わないな･･･というか、地下アイドルの募集眺めてはいたんだ。地下って･･･地下だぞ。アイとは程遠いぞ。それでいいのか。
「それ、本当にアイドルグループ･･･？」
「なんか怪しい仕事じゃなくて？」
『オーディション受けに行ったらガラの悪いチンピラ居たりしない？』
「そんなんじゃないし」
嬉しそうに名刺を見つめるルビーに、ミヤコさんが契約の確認はしたのかと聞く。
「今度、ライブ観させてくれるって！その後契約とかするみたい」
「「ふぅん」」
『怪しさ満点だよ』
ルビーの居ない事務所で、アクアが面倒な、と言った。
「どうにかしてやめさせないと」
「またそういう･･･」
『やっぱりあの落選通知アクアだったんだ』
何となく予想は着いてたけど。
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作者名：Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ：http
作成日時：2024年1月21日 23時
