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入学と二番星 ページ19

有馬先輩の元へ戻ると、早速紙のことを聞かれる。


『鳴嶋メルトから貰いました』

「ふぅん・・・まぁ、アンタ顔は良いし、これからこういう事の一つや二つあるわよ。慣れときなさい」

『慣れていいものなんですか』


親しくない人に連絡先貰うのって大丈夫なの・・・?陽キャの間では普通なの??



打ち上げパーティーから数ヶ月が経ち、私達は晴れて志望校、陽東高校へと入学した。
無駄に長い校長の話を黙って聞き、入学式が終わると、各自の教室まで移動、となった。

三人で横に並んで中庭を歩く。やけに見られるのは顔面が良いからだろう。


「芸能科はF組だっけか」

「うん。途中まで一緒に行こう」

『芸能科、結構少ないんだね。1クラスだけしかない』


そうだねぇ、と話していると、後ろに気配を感じた。振り向くまでもなくその人物は声をあげる。


「入学おめでとう、アクア、翡翠。あとルビー」


声の主は有馬先輩だった。
ルビーのついで感が否めないが、まぁ良しとしよう。


「ここ陽東高校は、他の高校と比べて授業日程は融通が利くけど、普通に赤点取ったり、出席日数足りなかったら留年するし、カリキュラムもそんな違いはない」


そこまで言うと、でも!と有馬先輩は振り向いて生徒を指していく。


「あの子は俳優。あの二人は最大手アイドルグループの子。あそこの胸がデカい子はグラビアモデル。あれは声優と配信者。ファッションモデルに歌手。ベンチに座ってるのは歌舞伎役者と女優。

みんな芸能人。

ここは日本で、一番見られる側の人間が多い高校でもあるわ。歓迎するわよ、後輩。芸能界へようこそ!」


本当に来たんだなって感じだ。ルビーのように緊張、とまでは行かないが、多少ドキドキはする。芸能人やる為に芸能科に入ってないとか異例中の異例だろうし。

有馬先輩は、ここは養成所でも撮影所でもなく、普通の学校なんだから普通にしてればいい、と答える。


『流石ですね、有馬先輩』

「翡翠はいい子ね〜・・・他二人と違って」

『いや、此奴らが敬うって言葉を知らないだけかと』



F組に着き、躊躇無く扉を開ける。


「躊躇いがない・・・」

『躊躇ってどうすんの。どっちにしろ入らなきゃいけないんだから』


私の後ろに隠れながら恐る恐る教室の中を見たルビーは、感嘆の声を挙げる。
それにしたって美形が多い。母さんの遺伝子があって良かった。

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作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年1月21日 23時

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