不良に外堀埋められた【東卍】

47,「表情」 ページ3

あの後私のとんこつラーメンも無事に来て食べ始めた。



食べ始めた、が。







「…………。」



『……………………。』







なんかめっちゃ見てくるんだが。
半間君がめっちゃ見てくるんだが？？



私は冷や汗をかきながら、ちゅるちゅるちゅるーっと麺を啜って咀嚼し、飲み込んだ。あ、美味しい。





半間君は…………げっ、まだ見てる。







『……………あんだよ』



「美味そうに食うよなぁ、お前」



『そりゃ美味しいからな』



「そーゆー事じゃねぇよ、ばぁか」



『はぁぁ？？』







いやいやいや。じゃあどーゆー事だよ？？まあよく分かんないけどさっさと食べ終えちまおう。


まあここに来たのはラーメンの為だけ、




ラーメンの為、だけ、、







『ソフトクリーム…………にひゃくえん……』







ラーメンの為だけの筈だった。破格のソフトクリームを見ない限りは。



いや、だって、ソフトクリームなんて何ヶ月ぶり！？って感じじゃん！？ソフトクリーム不足なんだよ！良いだろ！？！



でも落ち着け。ソフトクリームを頼んだらここに居る時間が長くなるんだぞ？半間君との時間も長くなるぞ気まずいだろう？





(うっ、ソフトクリーム頼むなら頼むで今頼んどかないと時間が…………くそっ！)







「…………。」



『くっ、う…………』







頼みたいけど手が出せない、というか出したくないソフトクリーム(200円)。


未だこちらを見ている半間。


無情にも過ぎていく時間。進む時計の針。









……………………………………。







………………………。









『すみません、ソフトクリーム一つお願いできますか』



「お一つで宜しいですか？」



『はい』



「かしこまりました！！」







頼んじまったァァァ………………！！！！！



だってしょうがねーだろ！200円だぞ！？普通は350円とかするんだぞ！？破格だろう！！！







「最終的には頼むのな」



『うるせっ！甘いもの好きなんだよ、悪いかっ』



「んーん？別にぃ……女子らしくて良いんじゃねーの」



『うぇっ？あ、そ、そっか。』







半間君が心から思ってる様に、薄く微笑んで言う。その珍しく柔らかい表情に顔が赤くなってしまった。







「お、照れてる」



『ちっ、違ぇわアホッ！！！』







ー

48,「関係」→←46,「相席」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す