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「……悪かった」
「うん、私も」
「せっかく会いたいと言ってくれたのにな」
あぁ、そっちか。
Aの寝台に並んで腰掛け、彼女は俺の胸に擦り寄るようにしながら苦笑する。
……それにしても、Aはすごく酔っているらしい。普段からこんなに甘えられることなどまず無い。
「ん、いーよ別に。
……私もその、大人げなかったな、とは、思うし」
彼女の言葉に、「そうだな」と笑えば、笑うな、と胸を叩かれる。
喧嘩の発端。
あの日、会いたいと言われた日。
社員寮に戻ると俺の部屋にはAが勝手に入っていて、疲れていた俺は、『もうこんなに遅いのに、よりにもよって嫁入り前の娘が、異性の部屋に上がって恥ずかしくないのか』と口走ったのだ。
後々になっては、疲れていたなどと言い訳もできない。
その俺に、Aは平手打ちをかまして、逃げるように部屋を出ていった。
……思い返してみれば、しょうもないことで喧嘩をしたような気がするな。
「ね、国木田くん」
お酒で頬を赤く色付かせたAが、ふわふわとした声で俺を呼ぶ。
「まだ、すき?」
「……あぁ」
「じゃあ、別れないんだよね?」
「そうだな」
俺が頷けば、彼女は安堵したように笑う。そして、きゅ、と俺の袖を握って。
「……嬉しい」
そう溶けるように呟いた彼女に息を呑む。はっと彼女を見れば、その瞳は瞼の向こうに行ってしまっていた。
「……寝たのか」
こてんと頭を預けた彼女の頬を撫でる。
泣きつかれたその目尻が赤くなっていて、そこをなぞると彼女の睫毛が震えた。
結局Aが隣にいて一番安心しているのが自分だと気付いて、俺は笑うしかない。
20204/1 硝子屋
(リクエスト作品:国木田さんと喧嘩)
あれ……国木田さん相手だと話が長くなるぞ……?
お待たせして申し訳ありません〜!!
お納めくださいませ。
乱歩信者さん、リクエストありがとうございました!
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硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね!!福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫 - あ、全然混浴でなくても大丈夫です!無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます!少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月25日 6時