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視線がぶつかり、彼の瞳に引き込まれる

妙な気まずさを感じた私は慌てて目線を資料に移した



それでも色気を孕んだ彼の口は、喋ることを辞めない


「道端で倒れていた男性を助け、母親が
難病で金がないとせがまれ貸してしまい、その後も色々と世話を焼いてあげたそうですねえ」


「今では恋人同士なんだとか」





先程から語ってる坂口さんの話は



私の体験談とよく似ていた

似ていた、と言うより。もはや同じだ
ぞく、と背中に緊張が走り。生唾を飲む



「甲斐性の無い甘え上手なヒモ男はどうですか?さぞ最悪な口当たりなんでしょうね。まるで苦くねちっこく絡みついてくる焦げたカラメルのようだ」

「また、坂口さんったらご冗談を___」




カタン、と足元が揺れた

均衡を保っていた梯子上での力関係は崩れ、理解するまでもなく背中を下にして無抵抗に私の体は落ちていく

掴むものなんてあるわけがなく、手中にあった資料をぶちまけて目を瞑り、背中に訪れる衝撃に備えると



「___っ、と」





落下の衝撃どころかどこも痛くなく、その上目前に上司の顔があった


彼が受け止めてくれたのだ

坂口さんは重いため息をついて小馬鹿にしたように私を鼻で笑った



「冗談が、なんですって?」

「……っ、だから!さっきからな何を……おっしゃって……」



それから先の言葉は彼の唇によって遮られた

そっ、と乗せるような柔らかい接吻から、抉られるような深い接吻へと変貌していく

しばらくして唇が離れると全身の力が抜け、坂口さんに身を預けていた




「ん……」

「そんな男より、幸せにして差し上げる自信、ありますよ」

「……っ、さかぐち、さ、……」

「ええ、もう喋らなくて結構ですよ」



辛いでしょうから___

最後に見えたのは目を細め、微笑んでいる上司だった



ーーーーーーーーー


「……落ちたか」


強制的に意識を飛ばされた部下を横抱きにし、額に口付け、うっとりとその寝顔を見つめる


嗚呼、愛しい_____






彼女は知らない

梯子から落ちたのは安吾の策略だということを


彼女は知らない

安吾の唇に、即効性の強力な睡眠薬が塗られていたことを




彼女を見つめ、先程の会話を思い出してくす、と笑う


「焦げたカラメル……というのは、何方なのでしょうねぇ」




幸福感と欲望が雪崩のように心を満たした安吾はその場を静かに去った




11/17日 ソーダ

▼.熱が冷めないうちに→←▽.砂糖菓子折__



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硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね!!福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
- あ、全然混浴でなくても大丈夫です!無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます!少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月25日 6時

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