▽.砂糖菓子折＿＿ ページ31
和三盆って、知ってます？
唐突に、告げられたのはその言葉だった
｢ええ知ってますよ、お砂糖…のことですよね？｣
｢そうですね、竹糖から出来た砂糖のお菓子の事です｣
ですが、と彼は言葉を続ける
｢砂糖は製法が違うだけで原料はあまり変わらないのもが多いです。例えば、結晶と糖液に分離して作られたり、分離した結晶から作られたり……十人十色なのでこの世界には様々な砂糖がありますね｣
｢ごもっともです｣
恋色沙汰も、同じだと思いません？
そう言って妖艶に笑う上司は視線だけで私を見つめた
……すぐまた手元の書類に視線を戻したが
｢えっと、仰ってる意味がよく……分かりません｣
｢女性二人が同じ男性と時間差で付き合ったとしましょう。一方が依存型で、もう一方が浮気癖の強い方であったりすると、彼らの関係というものは変わってきますよね？｣
彼は自身の瓶底のような丸い眼鏡のフレームをその細い指で押し上げると、私を見てそう言った
｢金平糖だったり和三盆も、時間をかけてゆっくりゆっくり、その形を生していくんです。こういう所も共通点あると私は感じてるんですよ｣
｢ 確かにそうですね……金平糖はちょっと目を離すと台無しになるそうですもんね｣
手間がかかってるんですねえ、と傍にあった梯子に登る
どうしていきなり私の上司＿＿坂口安吾さんはそんな話をしてきたのだろうか
しかもこんな狭い資料室の一角で
矢張り三重スパイなんて奇想天外なことやっていた特務課のエージェント中のエージェントは考えることが特殊なのだろうか
更に自分語りなどしない上司の心中なんて特務課のひよっこの私には到底図れることではない
今だって安吾さんの資料探しを手伝っているところなのに
目的の事件の資料や異能に関する資料をいくつか取り出し、目を走らせていると
｢貴女も、そうでしょう？｣
ーーーーーーーーー
一時の静寂が空間を駆け巡った
私が……今の話と、何の関係があるというのだ
………本当に何を考えているのか分からないこの人は
理解できないものと言うのは本当に恐ろしい
急に砂糖の話なんてしてくるし関連させて恋の話まで引っ張ってきたのは、どういう意図があってのものなのだろうか
もしかして、私に何か学ばせようと＿＿＿
ふと下を見ると坂口さんは梯子の傍で私を見上げており
びくり、と体が震える
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硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (
レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね！！福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫 - あ、全然混浴でなくても大丈夫です！無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます！少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月25日 6時
