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▼.酔うならワインじゃなくて ページ26

「だからぁ、俺はだなぁ〜……」
「はいはい、酔ってるんですね、分かってます」


高級バーで呑みに呑んで、酒に呑まれてカウンターに突っ伏しているのは私の上司であるはずの人だ。
よいしょ、と酔い潰れた上司様の腕を肩に通して、そのまま支えて立ち上がる。酒が好きな癖に弱いなんて、なんてマフィア。
しかも小さい癖にちゃんと筋肉が結構ついているからか重い。

お金を払い、上司を半分背負ったまま駐車場まで歩く。とぼとぼと歩いていれば、耳元で「ぅん、ん……?」とうめく声が聞こえた。


「あ……?
A……?」
「あ、中原幹部起きました?
自分で歩けますか?」


そう聞いても、中原幹部は何も答えない。
小さくため息をついて、そのまま自分の車の場所まで歩く。駐車場の隅に停めた黒い外車の鍵を外し、後部座席に中原幹部を寝かせ、運転席に入った。


「中原幹部、ご自宅までお届けします。水はドアポケットに入れてますから、お好きに飲んでください。
ほしいものはありますか?
店に寄って買いますから、言ってください」


エンジンをかける。中原幹部のご自宅はとてつもなく高級マンションの一部屋。そこまでの距離は大してなかったはず。

車を飛ばしていると、「……A」と小さく名前を呼ばれる。脇見運転は危ないから、声だけで答えたのは正しかったと思う。


「なんでしょう」
「だから、Aだ」


……ん?

首をかしげて考えてみても、ちょっとよく分からない。何が私なのだろうか。
とりあえず赤信号になったので、確認鏡で後ろを見れば、中原さんは体を起こして、水が入ったペットボトルを持つ手を見つめていた。


「……中原幹部?」
「手前、さっき言っただろ。
何か欲しいものがあったら言えって」


なら、手前がいい。

中原幹部の顔はまだお酒で赤い。

中原幹部はめっちゃ怒ってくる怖い上司だ。てっきり、嫌われているのだと……私を困らせたいのだろうか。
……それとも、本当に____。


「……酔ってます?」
「酔ってねェよ」


中原幹部は「チッ」と舌打ちを一つ。
そして、ぐい、と身を乗り出して車のハンドルを握る。


「え!?
ちょっと、飲酒運転諸々ですよ!!」
「マフィアに法律も糞もあるかよ」
「ありますよ!!」


滅茶苦茶なことを言いながら、中原幹部は私の高い外車を巧みに操作して、近くの駐車場に停めてしまった。


「……あの、中原幹部、」


どうしたんですか。

そんな言葉は、中原幹部の唇にあっさりと封じられる。

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硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね!!福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
- あ、全然混浴でなくても大丈夫です!無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます!少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月25日 6時

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