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立原さんとは、よく話すようになった。その日の進軍を停止し、空母に帰還し夕食を摂ったあと、いつも私は彼とお話をする。
彼には弟がいるそうだ。一人っ子の私は、兄弟がいることが羨ましく思う。そう告げれば、歳が少し離れたくらいがちょうど可愛いものだ、と言い、彼は少し照れ臭そうに笑った。きっと、弟のことが好きで大事なのだろう。
また、詩集を貸してくれたこともあった。戦場にそういったものの持ち込みは難しいからあまり持ってはいないが、と彼は苦笑する。
でも、どんなに少なくても良かった。
彼が見ている世界を、私も見たかった。彼が知っている世界を、教えてほしかった。
私たちはいつからか、お互いを好きになった。誰にも見られない場所で、抱き締めて、抱き締められて、髪をすかれて、口付けをしたこともあった。
私たちは確かに、お互いを愛していた。
私はいつからか、あることを心の底から望んでいる。いつまでも隣にいたいと、いてほしいと、望んでいる。
そんなことは起きないことを、知っている。
立原さんは、死んだ。
首を括って、死んだ。
晶子ちゃんの正しさが、彼を殺した。私は、晶子ちゃんを恨んだりはしなかった。恨んだって、彼は帰ってこないから。
……本当は。
本当は、心中をする約束だった。
晶子ちゃんの正しさを、手放したかったのは、私も同じだった。
彼が私を殺して、彼が首を括る手筈だった。
彼は、私を殺してはくれなかった。
死に損ないの私を晶子ちゃんは救ってしまったけれど、死んだ立原さんを、晶子ちゃんは救えなかった。
晶子ちゃんはきっと、自分を責めただろう。
それでも、私は晶子ちゃんを恨まなかった。
晶子ちゃんは戦災孤児だった私の、本当の妹だったことを、私は知っていた。
だから私は戦場に立っている。
だから周りの人たちは、私たちを名前で呼び分ける。それは当然の決まりとなり、私と晶子ちゃんの繋がりなんて、きっともう知っている人はいない。
戦争は続く。
晶子ちゃんを殺せない私は、きっと何処かでこの手から命を溢すだろう。
そうしたら、立原さん。
次は、
_____次は天使のいない世界で会いましょう。
2019/3/10 梛霧
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硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね!!福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫 - あ、全然混浴でなくても大丈夫です!無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます!少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月25日 6時