４０ お城 北斗/大我 ページ42
北斗side
うっかり大臣たちの話を聞いてから慌てて部屋に戻ったが涙が止まらないし、胸はギュッと痛かった。
お昼のご飯に大好きな苺が用意されていたけど食べたくなくて…でも一つだけ口に入れたけど、まったく味がしなかった。
なんで今まで気がつかなかったんだろう…。
妙齢の一国の王子である大我に結婚を控えているお姫様がいてもおかしくないんだよね。
大臣たちが話しているような、大我には大事な大事なお姫様がいるんだ。
そのお姫様にも俺にしてくれてるような、ことを大我はしてるのかなぁ。
ご飯食べさせてくれたり…
お風呂に入れてくれたり…
優しく抱きしめたり…
優しいキスしたり…
恋人のキスしたり…
優しい大我だからきっともっとその大事なお姫様を甘やかしているはず。
なんだかそう思ったらますます胸が苦しくなってしまった。
大我と俺は人間と人魚で、
種が違うのだから一生巡り合わなくても当然の間柄。
偶然出会い、たまたま人間界で過ごす事になった俺に親切にしてくれた大我。
そして…間も無く俺は海に帰る。
そうすれば、大我と俺の人生は二度と交わることはない。
ねぇ大我、結婚するお姫様がいるのになんで俺と恋愛の練習しようって言ったのかな？
世継ぎを望むくらい大切なお姫様なんでしょ？
人間はさ、大切な人がいても恋人ごっこできるの？それが普通なの？
そんなことを思っていたらまた勝手に涙が溢れてきた。
なんでこんなに苦しくて涙が止まらないのか…ハッキリした理由が俺には分からなかった。
大我side
さっき侍女から北斗が昼間から部屋に閉じこもったままで昼食も夕食もほとんど食べてないとの報告をきいて、今、足早に北斗の元に向かっていた。
どうしたんだ？
体調を崩したのかな？
今朝起きた時は元気な様子で、今日は俺が１日居ないから図書館に図書館に行くと楽しそうに言っていたのに…。
部屋に入ると北斗が窓際で月をぼんやり眺めていた。
「北斗？今日…具合悪いの？大好きなイチゴも食べなかったんだって？」
そう声を掛けて北斗の顔を見ると、随分泣いたみたいで目が真っ赤になっていた。
そうとう体調が辛かったのだろうか？
「…大丈夫…」
「無理しなくていいよ。もう横になって休んだ方がいいね…こっちおいで？」
手を広げて北斗を呼ぶが…北斗はいつものように俺の腕の中に入って来ない。
「北斗…？」
「ねぇ…大我…聞いてもいい…？」
北斗が躊躇いがちに俺の目を見つめてきた。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
