２０ 陸 北斗side ページ21
「ちょっと待ってね、一回下ろすよ？」
しばらく陸を歩いていた大我はそう言うと俺を柔らかな草に下ろした。
「もうすぐ着くからね。みんなが驚いちゃうから、これを羽織ってね、あとこれも…腰から下に巻いとこうか？」
大我は自分の上着を脱いで俺の肩からかけてくれて、腰には綺麗で柔らかな生地を巻いてくれた。
俺のピンクの尾が綺麗な生地に隠れてしまった。
「うん、OKだね、さあ、行こうか？」
また俺を抱き上げると、歩き出した。
「どこ…、行くの？」
不安と怖さで、喉がカラカラ。
ホントは今からでも逃げ出したい。
でも水のない陸地で逃げたところで泳ぐこともできなければ、ましてや、人間みたいに「二本足」があるわけではないから、その場で干からびて死ぬのを待つだけだ。
「うちだよ。俺の部屋」
大我は…そう言いながら楽しそうにしている。
大我の家って…どんなところなんだろう。
いつ、食べられてしまうのかな…。
直ぐに食べられてしまうのだろうか。
それとも、しばらくは人間達の見せ物になってしまうのかな。
大我は、酷いことしないって言っていたけど信じられなかった。
『人間に捕まったら食べられてしまう』
昔から言い伝えられていた。
なんでそう言われていたかって言うと、人間の世界に行った人魚が海に戻ってきたことが今まで一度も無かったから。
そしてその後、必ずその人魚の「華鱗」が海で見つかるんだ。
「華鱗」が無い人魚は海で息ができない。
海で生きていく事ができない。
きっとその人魚を食べてた人間が、硬い「華鱗」を海に捨てていくのだろう。
慎太郎…無事に帰ったかな。
慎太郎、怖い思いさせてごめんね。
樹…高地…無事に帰れなくてごめんなさい。
たぶん、俺…もうみんなに二度と会えない。
俺は大我に抱き上げられながら、涙が滲んでくるのが分かった。
「北斗、もう着くよ。」
滲む涙を拭いながら顔を上げて見ると、そこにはビックリするくら大きなお城が見えた。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
