ほくとをちょっと長く愛でる２

つかまった２　by北斗 ページ2

「えっ…、あ、ご、ごめん…よろけちゃった！」

突然引っ張られたとはいえ、京本の胸にぶつかる様に当たってしまった。

しかし、それを受け止める様に京本は何故か俺を抱きしめてる。

俺は離してもらおうと、京本に謝りながらて手で京本の胸を押した。

が…、
京本は俺を抱きしめてる腕の力を離すどころか、さらに強くしてくる。

「京本…？あの…離して…？」

「やだ。やっと、つかまえたんだもん」

「あ、あの…？」

京本…どうしたんだろう。
なんだかいつもと違う…。
なんか…迫力というか、圧が凄いんだけど。

「ねぇ…さっき、俺に触ろうとしたしてたよね？」

「……！…ごめん…」

バレてた…。
嫌だよね…。

いつも距離を取って極力近寄らない、喋らない、接触ないメンバーに突然触られるなんて。

俺は京本が好きだからこそ近付けないっていう理由だけど、

京本はそうでないはず。


普通はキライな相手には近寄らないものだ。


だから俺に触られるなんて…
キライな俺に京本は触られて、嫌だったよね。

「ねぇ、なんで？なんで、触ろうとしたの？」

京本は執拗に追及してくる。
京本の綺麗な目がじっと見つめてきて、目を逸らすことが許されない。

目ヂカラが…凄い。

「えっ…あ、うん…なん、と、なく…」

しどろもどろな言い訳。
まさか、京本が綺麗すぎて触りたくなったなんて…言えない。

「なんとなく？！」

京本の綺麗な眉毛が釣り上がった。
怒ってるよね…。

「ご、ごめん、もう、触らないから…」

「そうじゃなくて…！」

なんか、すごく怒ってる？
イライラしてる感じが、凄く伝わってくる。
触られたの…そんなに嫌だったんだ…。

「…ごめん、勝手に触ってごめんなさい。京本、なんでもするから…ごめん、許して…」

京本の顔が見れなくて俯いてしまった。

「…北斗、なんでもしてくれるの？」

「え、あ…うん…」

それで許してくれるなら。
使いっ走りでも何でもやるし。
もう今後一切近付くなって言うなら近寄らないし。

「じゃあさ、毎日俺とキスしてよ。そしたら、さっき俺の頬に触ろうとしたこと許してあげる」

京本はニヤリと笑った。

「は…？」

今…なんて言った？

「だ、か、ら、毎日、キスするの、俺と！」

え…えぇっ…！

つかまった３　by北斗→←つかまった１　by北斗

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す