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188 ( side Nishijima. ) ページ9

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3公演目の武道館。

武道館から始まって、
今回のツアーは武道館で締めくくられる。



そんな中、メンバーの気持ちの変化が
大きく歪んでいたのは、確かだった。


それは、俺自身も含めて、
だけれども、この時、


そう、本番前にはそんなことが許されないのは
誰しもわかっていたから。
だからこそ、俺も、もちろん、メンバーも
誰もが、気持ちをゆっくりと切り替えていく。



わかりやすいくらいに顔つきが違うから、
心からみんなが、ファンのことを考えてるんだなって思い知らされた。





西「おはよ。」

「おはよ〜、昨日はごめんね。」

西「俺はなんとも。寝れた？」

「…うん、まぁまぁかな。にっしーは？」

西「全然ねれなかった。」

「あは、嘘つけないなぁ。…でも、大丈夫そうだね、」

西「そりゃもうこの日のために色々してきましたから。…今はAAAの西島隆弘に切り替え中。」

「精神統一後かぁ、私もしてこようかなぁ。」



浅はかな会話だな、なんてきっとAも思ってるだろうけど、
俺も、もちろんAも、
今のお互いの事情に気づいてるからこそ奥の話をすることはしなかった。


Aと、與がすれ違っている。
昨日のリハーサル後に起こったことが、
その後どうなったのかなんて、朝現地に集合してからメンバー誰もが空気を読んで、口に出さなかった。


Aは、多分日高といて。

與はいつもより少しくらい喋る量が少なくて。
直也くんに色々言われたんだろうな、と察しがつく。


それでも、二人はきっと
ステージに上がればいつも通りの
七瀬Aと、與真司郎になるから。



「マッサージ室だれかいた？」

西「あーー、…秀太がいたけど、今は誰もいないんじゃない？」

「そっかぁ、でも今行ったら寝ちゃいそうだなぁ」

西「寝顔撮りにいくから行ってきなよ」

「やだよ(笑)行かない〜」



まだメイク前で、少し幼くなる顔。
目元が少し赤くなってるのは、多分昨日のせいなんだろうけど、
そこに何も言えないのは、今はAのため。



本当だったら、Aの声を聞きたい。



だけど、本番前に強くいようとする姿は
俺自身の強さにもつながるから、



また、ステージから降りて、
AAAの七瀬Aでなくなる瞬間に、
泣きたくなったら、その時は胸を貸してあげよう、



幾度となく救われてきた、Aのために。




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