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181 ( side Hidaka. ) ページ2

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「っ、…目腫れるかな、」

日「まぁそれだけ泣けばな。」

「……やだなぁ、」

日「大丈夫。それでも可愛いから、」

「あは、なにいってんの。」




流れを止めた瞳から溢れていた涙を抑えるようにタオルで顔を覆って、
どうしよう、とうわごとのようにつぶやくA。





日「とりあえず、風呂でも入ってれば？で、寝る。それが一番。」

「…正解、…だっちゃんは？どうする？帰るなら、タクシー呼ぶけど、」

日「あー、…とりあえず風呂上がるまで待ってるわ。」

「うん？…わかった、…」





帰りたくない、とは言えなかった、


いろんな感情がそこにあって。
好きだったからこそ、帰りたくなくて、少しでもAの近くにいたいのも確かで、

一人になったらまた、泣いてしまうんじ
ゃないか、
そして自分を押し殺して、明日また無理して笑ってくるAを、放って置けない一心で。




Aも、なんとなく、
一人になることを、



拒んで、



帰る、なんて聞いてきたくせに
そんなあっさり、わかったなんて言うから、


俺の方が驚いた。






少しして、
Aが風呂に入ってる間の時間が、長くて、
今まで、想ってきた時間のことが、
まるで走馬灯のように駆け巡る、



俺が辛くて、塞いだ時も、
あいつはいつだって笑顔だった、



なら、俺は、


Aが辛い時、笑顔にしてやらないといけない。




好きだった、といえばなんだか違う気がして、



愛してた、といえば、ピタリとハマるパズルのピースのようで。






公園で、自主練して、休憩と言って遊んだブランコで怪我して怒られて、

自分はこのメンバーに必要なのかと、虹色の話をした時に分かち合って、

俺のやりたいことを、好きだと言って引き上げてくれて、



何万と、笑顔を見てきた、
何万と、涙を見てきた、



小さかった想いは、いつのまにか抑えられないくらい大きくなってて、



Aを、愛していた。









日「 せめてあの日までの、巻き戻し方を、 」




ねぇ、教えて。









それももう、終止符を打とう、

お前に涙は似合わない。
笑顔に、なるのであれば、


俺ができるだけのことは、してあげよう。





ねえ、A、愛しさを教えてくれてありがとう。







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