煌めく君に恋をした

きっと何時か ページ37

Aside
最初は親に少しだけ期待をしていた。

テストで良い点を取れば、言われた事がしっかり出来ていれば、約束が守れれば兄さん達みたいに話しかけてくれるって。

何度その期待を裏切られた事か、何度そんな期待をした自分に絶望した事か。

“イイコ”でいる事に疲れたんだ。

求められた事をしても誰かと比べられる、蔑んだ様な目で見られる。

『口を開けば皆兄さん兄さんってほんとイライラする』

“縛っていた”髪の毛を解く。







“縛っていた”？俺は何時も髪を下ろしているだろ？

あぁ、夢の中だってのに俺はあの親(クズ)共の“理想(お人形)”であり続けたいってか。

ほとほと呆れるな。

あんなに嫌っていたくせに愛される為(見てもらう為)に必死になってんのかよ。

そんな事をしたってこの世界(真っ暗闇)に光(愛)は無いと言うのに。

理想の子供(お人形)になる為に必死になってん頑張ったのに誰も見てくれないじゃないか。

誰かが言った。

人は愛される為に生まれてくるんだって。

それは違う。

親のいい道具させられる為に生まれさせられるんだ。

親は子を選べるが子は親を選べない。

簡単な話、病気を持って生まれてくるなら堕ろす。

女の子じゃないから、男の子じゃないから堕ろす。

人間は皆勝手だ。

俺達は言いなりになる為に産まれてくるんじゃないんだ。

なのに…………。











？？「お兄ちゃん達は？一緒に居ないの？」

『………………あぁ、居ないよ。俺の事が嫌いになって捨てて行っちゃったんだよ』

見覚えのある子供はそっか………、と言って何処か悲しそうに笑った。

やっぱり“元”が一緒だと表情も同じものを作れるんだな。

『だってお前は俺のーーーーーだろ？』

その言葉がその子供に届く事はなかった。

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