煌めく君に恋をした

星に願いを ページ33

Aside
幾星霜星に願った事か。

小さく美しく光るあの星に幾度手を合わせた事か。

その願いは叶えられないと言うのに寒空の中何回も願いを込める。

無駄だと分かっていながら何故祈るのか。

『あ〜ぁ、捨てなきゃ良かったな。捨てなければ、きっと………』

その願いは叶ったのに。

馬鹿な事を言う。

叶うはずの無い願いを何故祈る？

何故願いは叶わない？

何故、何故……………。

『憎くて憎くて仕方ない』

万人に望まれた願いの筈なのに俺は苛立ちを抑えられない。

？？「お前は本当に欲がない。本当に人間か？」

？？「全く。そんな顔をなさるなら最初からしなければ良いものを」

聞き覚えのある声に後ろを振り向く。

なんでそこに貴方達がいるの。

テスラ「その目は良くねぇな」

ルル「えぇ、いけません。いけませんねぇ」

そう言うとテス兄とルル兄は俺を挟む様にソファに座った。

テスラ「絵心に言われて来てみれば相変わらずの重症っぷりだな」

ルル「テスラ兄さん、幾ら身内とは言え言葉はお選びください」

テスラ「選びたいのは山々だが今の此奴には言葉が通じん。多少の口の悪さなら大目に見るだろ」






誰の声も聞こえない。

ただ自分の体に真っ黒な泥ベッタリとこびりついている。

あの時と同じ、誰もいない真っ暗な部屋の中1人でただ助けを求めて手を伸ばして…………。

ほんと、馬鹿みたい(くだらない)。






『フフッ、フフフッ、アハハハハハッ！』

テスラ「………A…………………？」

求めなければいい。

そうすれば何もかも要らなくなる(置いて行かれない)。

『そぉでしょ？そうすればテスラ兄もルル兄も、誰も彼も“ボク”を置いて居なくならない』

ニコリと笑えば兄さん達が顔を青くしていた。

？？「何時からそんな非合理的な事言う様になった」

波乱の幕開け→←その感情は正しい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す