煌めく君に恋をした

初恋の人 ページ22

凛side
絵心「お前達にもう1つ言っておかなければいけないものがある」

モニターに写る絵心が1つの動画を見せてきた。

絵心「此奴の名前は星喰 A。唯一シード枠として参加が許されている選手だ」

左右で違う目、長く伸びた髪、女の様な顔立ち、だが異様に背がでかい。

絵心「奴の最大の特徴はオールラウンダー。全てのポジションを平然とやってのける猛者だ。その中でも此奴は」

ドンッ！

絵心「異常なまでの高さを有する。要は空中戦が得意って事だね」












ずっと探している人がいる。

昔俺とクソ兄貴にサッカーの魅力を教えてくれた人。

何時も笑顔でどんな時でも明るく爽やかで少しだけ冷たい人。

けど、俺もクソ兄貴もあの子の事を太陽の様に思っていた。

笑ったり、怒ったりする顔が可愛くてしかたない。

そんな子だった。

凛「ーーちゃん！もし俺が将来兄ちゃんより強いサッカー選手になったらーーして！」

？？「えぇ………冴ちゃん良いの？凛ちゃんこんな事言ってるけど」

冴「良い訳ないだろ。3人で結婚するんだよ」

？？「そっちの方が意味わかんないじゃんかぁ！」

なんて名前だったか。

顔に靄がかかってて幾ら払い除けても顔が見えなくて。

？？「しょうがないなぁ………もし冴ちゃんが18、凛ちゃんが16になってもーーに勝てなかったらーーが2人の事強くしてあげる！そうすれば2人の“ーーーー”になれるでしょ？」

周りを照らす様な笑顔が大好きだった。

けどその二年後、ーーは俺達の前から居なくなった。

日に日に細くなって行く体、軽く握っても折れそうな腕、なにかに怯える様な目。

俺が馬鹿だったから何も気が付かなかったんだ。

クソ兄貴でさえ気がついてたのに。






？？「冴も凛もーーに勝てるわけないじゃん。誰が見たって差は歴然なんだよ」

冷たい目で俺達を睨みつける。

何処にいるんだよ。

凛「Aちゃん」

俺は“それ”を忘れる為にボールを強く蹴った。

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