煌めく君に恋をした

糸師凛 ページ15

Aside
目を開けるとそこは自分の部屋だった。

ベッドの下にはバラバラの資料とタブレットがある。

『画面割れてないかな』

タブレットの画面を確認する為に床に落ちているタブレットを拾うと画面には水滴がぽたぽたと落ちている。

『…………よだれ？』

口元を触るが濡れる感触は無く、逆に頬が冷たい。

そこで俺は自分が泣いていた事に気がつく。

『シャワー浴びたくないな』

俺の部屋にはシャワールームとキッチンがセットで付いている為食堂に食べに行く必要が無い。

だが1人で食べると言うのもつまらないものだ。

だから選手の子達が食べ終わって各自の練習をしている間に帝襟さんとこっそり食べる事に決めている。

『外でも少し歩こうかな』

軽く顔を洗って俺は部屋の扉を開ける。





部屋を出て早10分、大分気持ちに余裕が出て来た。

？？「……………何してんだ、あんた」

後ろを振り返るとサラサラ髪の男の子が立っていた。

『俺？』

？？「あんた以外に誰かいるかよ」

『そうだよね、夜のお散歩』

俺の言葉にサラサラ髪君ははぁと溜息をついた。

？？「年寄りかよ」

『そう言う君は？ホントならこの時間は出歩き禁止でしょ？』

痛い所を突かれたのか何も言わなくなった。

『こっちの方にあるのはお風呂だと思うけど………あぁ、そういう事か』

顔を汗が伝っている。

『こんな時間まで練習はいいけど、無理はしないでね？糸師 凛君』

冴ちゃんの弟君。

名前を当てられたからか糸師君は目を見開いていた。

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