はちみつ色の日々 ２

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「うっ……、やば………」





無我夢中でずっと走りすぎて
気付けば目の前がめちゃくちゃクラクラしてる。

立ち止まれば更に悪化して
立ってられなくてしゃがみこんでしまった。






「何やってんだろ………」





曲がり道を利用したからか、幸い宏光はここまで追いつけてはなかったらしく
後ろを見てもいなくて安心した。


今頃また飲み会に戻ったのかな、
女の子達と楽しそうに喋って
私のことなんて忘れちゃってるかも。

こんなめんどくさい女よりも
可愛くてキャピキャピしてる子の方がいいに決まってるし……。





もう考え始めたらネガティブ思考は加速するばかりで、



「おい」

「ひゃっ！！！」






いきなり頭上から声をかけられて
驚いて顔を上げれば





「宏光………、」





はぁはぁ息を切らしてる姿がそこにあった。







「お前…っ、どんだけちょこまか逃げんだよっ」


「え……、なんで……？」


「危ねぇだろ、こんな夜にそんな酔った状態で一人で」


「別に……大丈夫だもん、私なんて」


「は？大丈夫なわけ、

「大丈夫だってば！」






ダメだ………、とことん可愛くないな私。

勝手に嫉妬して不機嫌になって宏光にあたって
呆れた顔になるのも無理はない……。






「ごめん……、本当に大丈夫だから」






まだクラクラしてるけど
なんでもないふりして立ち上がり歩こうとしたのに、






「ちょっと待てって」





諦めずにちゃんと向き合おうとしてくれる。

逆の立場だったら
もういいっ！ってなりそうなものなのに
こういうとこ、尊敬というか凄く好きなとこかも……。






「ごめん、俺束縛しすぎた？」


「え？」




束縛…………？

どういうことだろう、と情報を処理しきれてない状態なのに
宏光はそのまま言葉を続けた。






「杉原と話したかった？
それを無理やり俺が怒ったりしたから」


「いや……、別に杉原さんと話したかったわけじゃないけど……」


「へ？」





じゃあなんで怒ってんの？みたいな顔して
私を不思議そうに見つめてきた。

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