はちみつ色の日々 ２

＊ ページ7

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「宏光、お疲れっ」




仕事が終わって居酒屋まで向かう途中
近くの駅で待っててくれた宏光に駆け寄った。




「お疲れ、行くか」


「……うん、」




なんだろう、仕事中からだったけど様子がおかしい。

でもこういうモヤモヤをハッキリと聞けない私は
結局ずっとモヤモヤなまま。

離婚して色々と変わった気でいたけど
結局変わってないなって痛感させられちゃう。





「あのさ、やっぱ今日行くのやめない？」


「へ？」





急に立ち止まってそんなことを言うもんだから
驚いて私まで足を止めた。

飲み会大好きな宏光がそんなことを言うなんて
しかも珍しく私も行けるのにそんなことを言うなんて……


やっぱりおかしすぎる。






「どうしたの？
具合でも悪い？」


「そんなんじゃねぇけど……」


「でももう行くって言っちゃったし
どうしよう……」





やっぱり不参加で、って宏光とドタキャンなんてしたら
それこそ周りに怪しまれないだろうか……。

そんなことを考えてると
ちっちゃくため息が聞こえてきて、





「分かんないかな、俺の気持ち」


「え？」





俺の気持ち………とは？





「飲み会なんて行ったらさ
他の男に狙われんじゃん」


「狙われ……？」


「杉原とか、絶っ対隣に行くんじゃねぇぞ」


「杉原さん？なんで、

「いいーから、約束な」





訳も分からない私の手を取ると
引っ張るように歩き出すから私もつられるように歩く、けど………




どういうこと？






.







「Aっ、飲んでるか〜？」


「あ、はい、飲んでますよ〜」





店に着く直前に繋いでた手を離して
宏光と会ったことを偶然を装って店に入り、飲み会は始まった。

それで、中盤に差し掛かると
なぜか隣にいた後輩ちゃんを押し退けてやってくる杉原さん。





「お前なかなか飲み会とか来ないからさ
今日すげぇ楽しみにしてたんだよ、俺」


「ごめんなさい、なかなか時間取れなくて」


「でも旦那いなくなったなら時間取れんじゃないの？」


「う…ん、まぁ色々ありまして」





実はまだ旦那のためにしてたバイトも辞めれてなくて
そこもいまだに宏光に怒られてる。
いい加減にやめろ、って。

でもやっぱりお金は大事だし………、ってまた可愛くない思考しちゃう。

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