はちみつ色の日々 ２

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「なんか危なかっしいし、気をつけてな」




緊張と興奮で何も言えない私にそう言うと
今朝みたいにまた私の前から立ち去ろうとしてしまう。

同じ日に二回も大好きなみっくんに出会えたこの奇跡すぎる奇跡を
こうも簡単に終わらせてしまっていいものなのか。

もうこんなこと、絶対にない。




"人生は一度きり"

"出会いは一瞬"



よくみっくんが口にしてるその言葉を思い出した。

一度きりの人生
この一瞬の出会いを逃すわけにはいかない……っ。








「あの………っ！！」



緊張で思ったより大きな声が出てしまって
みっくんは驚いて私を見た。

その思わぬ視線に怯みそうになったけど
自分の両手をギュッと握りしめながら、





「お礼、させて、くれません、かっ？」

「お礼？」

「二度も、助けて、もらったし」

「あぁ、いいよいいよ。
別にそんな助けたとか大したことしてないし」

「で、でも……っ、せっかく二度も会えた、から………」




あまりにもしどろもどろな私に
みっくんが、一瞬私に警戒心を持ったのが分かった。




「……俺のこと知ってる？」



「…………はい…」




知ってるどころかむしろ大ファンなんだけど
そこまでバラしてしまったら、絶対お礼なんて受け付けない気がする。

警戒心が強いのは知ってるもん。





「わ、私、佐藤Aって言いますっ！
1997年3月20日生まれ、丑年です！
免許証………免許証も証拠にっ、あとっ、

「分かった分かった、ストップ」




免許証をずいっと見せる私を止めるように
微かに服の袖に触れた。

もうそれだけで手が震える。





「飯行く？」


「へ？」





思わぬ言葉に間抜けな声が出てしまう。

め、飯…………？！？！





「これから知り合いの店に食い行こうと思ってたんだけど
そこでお礼とやらしてくれるなら」

「しますっ！！！」

「んはは、食い気味だな」





なんでか分かんない。

今日知り合ったばっかの私と一緒にご飯行ってくれるなんて
私がずっと見てきたみっくんからはなんだか想像出来ない。

むにっ、とまた癖のように頬をつねってみるけど
大丈夫だ、ちゃんとめちゃくちゃ痛い。

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