はちみつ色の日々 ２

＊ ページ5

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「じゃあここで言う」


「え？」




近くに来て、って宏光の部屋のドアの前まで呼ばれて
戸惑いながらも近付くと
真っ直ぐに見つめてくれる。





「この前はごめん。
でもあれは酔った勢いとかじゃないし
Aとしたかったから」


「したかった、ってなに……？
元カノだからって簡単にやれると思って、

「違ーうって！
それは違う！絶対違う！」





ほんとかな……、ってまだ疑う私に対しても
宏光はちゃんとずっと目を合わせてくれてるし
私もさっきとは違うドキドキが襲ってくる。

もしかしたら、って
思わずにはいられないじゃん。






「Aに別れようって五年前に言われて
俺も仕事立て込んでて余裕がなかったし、どうしようも出来なかった。
でもすげぇ後悔した。
あの時もっと余裕があればAを支えられたのにな、って」


「………うん、」






蘇るあの頃の記憶。

私だって何度後悔したか分からないほど後悔してた。

凄く好きだったのにあんな結末になって
悔やんでも悔やみきれなくて。






「だから、もっかいだけチャンス貰っていい？」





少し不安げなその声に
胸にグッと込み上げるものがあった。

ちゃんとまた私と向き合おうとしてくれてるんだなって。





「俺と、付き合ってくれませんか？」





込み上げてたものが、ぶわって溢れて
涙となって零れてくのが自分でも分かる。

そんな私に柔らかく笑ってくれた宏光は
その表情と同じ柔らかくて優しい声。






「もう手放したりしないし
余裕なくなったらちゃんと二人で話し合お。
そんで今度こそ、ずっと一緒にいよ」






運命なんて信じたことないけど
こうやってまた宏光と出会えたのは
運命以外の何物でもないと思えてしまう。






「うん……っ、うんっ！」





嬉しくて嬉しくて、飛びつくように抱きつくと
うおっ！て受け止めてくれる。

大好きな大好きな、私の元カレ…………



じゃなくて、






「じゃあ今からAの彼氏ってことでいいっすか？」


「ふふ、もちろんっ」






今の彼氏、宏光。





「よーし、じゃあ部屋に入れ入れ」


「え、もう？！」


「もう肩書き出来たし、解禁っしょ？」


「………自分の部屋に戻る」


「何でだよっ」





━━━Fin.


ぴーちさんリクエスト、元カレ宏光でした！
リクエストありがとうございました。
国民の元カレを書くの楽しかったです！笑

次は蜜色の一雫続編です！

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