はちみつ色の日々 ２

＊ ページ19

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「ありがとう…ございます、」




ホントですか〜？、とか変に言って話を広げるよりも
サクッとお礼を言って終わらせるのが一番だと思ってたのに




「Aは？どんな人がタイプなの？」




って、話を当然のように続けてきた。

さ、さすがはホスト……。





「うーん……、タイプっていうタイプはないかもしれない…。
あんまり考えたこともないかな？」





そもそも恋愛経験もそんなにあるわけじゃないし
恋愛体質なわけでもないから、その質問めちゃくちゃ答えずらい。




「じゃあ質問簡単にするか」


「え？」


「俺か俺以外の男か、どっちがタイプ？」


「………、」




え。
どういう選択肢なんだろう、って一瞬真面目に考えちゃったじゃん。

動きが止まった私を見て
宏光って人は楽しそうに笑ってるし。





「んっふふ、ごめんごめん。
そんなマジに考えられたの初めてで」


「……はぁ、」


「でもAはきっと
俺みたいなのが好きなはずだよね」




その自信がどこから来てるのか分かんないけど
ここまでくると愛想笑いすら出来ないのに
当の本人は凄く愛くるしい笑顔を見せてる。

ホストっていうのは
お客様を笑顔にする仕事じゃないのか、なんて思いながらも
彼の隣で飲むお酒は
人生で初めて甘く感じていたことに、この時は気付いてなかったんだと思う。






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＊＊＊＊＊＊




「あぁぁ………、具合悪………」




日付が変わって家に戻ると
案の定頭の痛みと具合の悪さのダブルパンチ。

真っ直ぐソファに倒れ込んで目を閉じる。




今日はよく飲んだなぁ……。

裕太って人から始まって
大半は宏光って人とずっと話してて
話の噛み合わなさに嫌悪感しかなかったのに
彼の目を見ると不思議な気分になった。

ぽわぽわするというか、初めての感覚。





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「う〜〜ん……、」




だめ、だめだめだめ。

しばらくソファで横になってたけど
気持ち悪さは収まらないし、吐けないし眠れない。

耐えきれずに体を起こすと
もう外は明るくなり始めていた。

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