恋愛注意報

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「す、すごくオシャレなお店ですね…」


「そう？なら良かった。
Aの誕生日だから気合い入れたんだよ」








あれから先輩とのデート気分を味わって
もう私、宙に浮いてるんじゃないかってくらい
ふわふわと幸せ真っ只中な気がする。

だってとことんレディファーストだし
優しくて、とろけてしまう。








「何飲む？お酒平気？」


「はい、何がいいかな〜
オシャレなのが多すぎて迷いますねっ」


「これとかどう？
女の子に飲みやすいと思うけど」


「じゃあこれにします」







なんだかよく分かんないけどカタカナのオシャレな名前のお酒を頼んでくれて
出てきたのは、ぴんく色のなんとも可愛らしいお酒。

普段、ビールばっか飲んでるから
すんごい違和感かんじるけど、今日くらいはいいよね。

可愛い女の子になりきろう、うん。








「よし、じゃあ乾杯しよっか」


「何に乾杯します？」


「んー、俺が無事に日本に帰ってこれたこと？」


「…それもあるかもですが、
もうひとつなにか大事なことをお忘れでは？」


「ははは、冗談冗談」







からかうように笑ったあと先輩は
お互い手にしてたグラスをコツン、と音を鳴らして軽くぶつけると









「誕生日おめでとう、A」









とびっきりの優しい顔と、
とびっきりの甘ったるい声を私にくれた。









「……あ、ありがとうございます…、」


「それ、その敬語やめよ。
もう学校の先輩後輩じゃないんだから
敬語はやめて、先輩じゃなくて太輔って呼んでいいよ」


「えー？太輔ですか？！」






それはさすがにハードル高くない…？！

太輔って……、た、たいすけ…。







「さ、さすがにちょっとそれは、照れます…」


「その照れた顔が見たいんだけど」


「えっ、///」


「それそれ、その顔」


「やめてくださいよ、もうっ！///」








あはは、って楽しそうに笑う先輩にからかわれて
恥ずかしさから手にしてたカクテルを口に運ぶと
甘い味が口いっぱいに広がった。








「でもほんと、これからゆっくりでいいから
敬語なくして名前で呼べるようにしてこ？」



「……はい……、じゃなくて、う、うん、」



「いいね〜そのぎこちなさ」






本気なのかからかってるのか分かんないけど、
いや、多分からかってるんだろうけども

いちいちドキマギしちゃってる自分が恥ずかしい。

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