恋愛注意報

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「と、とにかく先輩は先輩っ！
ただの高校時代の先輩だよっ」


「ふぅ〜ん」






出た、またその相槌。
ジト目で横目に見てくる北山くんから目を逸らすと、

ふっかふかのソファに沈んでる二人分の重みが
少しだけ私の方に偏って、触れた指先と肩。







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「赴任先決まって、大学も卒業して、
ちゃんとした社会人になれたらさ」








再び視線をやると、まっすぐ見つめてくる。
その目はさっきまでの子犬みたいな目とはまるで豹変してた。








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「ほんとに俺のもんにしたいんだけど、いい？」









この状況での再びのパワーワード

”俺のもん。”







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「えっ？！」


「ちゃんとAのこと守ってけるような男になったら
またちゃんと言うから。」


「ちょっと待って……、どういうこ、
「いいーから、とりあえずもうちょい待てって」







待て、と言われても
一体なにを待てばいいのか…？








「Aの中ではさ、今んとこ
ただの幼馴染み
ただの高校の先輩
ただのバイト君、って感じだろ？」


「うん…？」






裕太と、藤ヶ谷先輩と、北山くん。

この三人のことを言ってることは分かる、

けど、なんでこの三人を並べるのかが今の私には分からなくて。








「だから俺も全然いけると思うし、頑張る。」


「だから、何が？」


「今はいいっ、Aは知らなくていい」


「ていうかさ、さり気なく名前呼び捨てにしないでよっ」


「なんでよ、いいじゃーん。
A、A、A〜」


「や、やめてって、///」








少し大きめに私の名前を連呼するもんだから
チラチラとロビーの周りの人達の視線を感じて
慌てて静止しようとするも、楽しそうに笑ってる。









「ちゃんと大人になるから待ってて？」






”A”って、凝りもせずにまた名前で呼んで
子供みたいによしよしと頭を撫でてくる。

これじゃどっちが年上か分かんないし…。









「さーて、部屋戻るかっ。
明日も早ぇし」


「え？宴会場戻らないの？」


「あの女の子に絡まれて疲れたし
Aも部屋戻ってよ。
俺のいないとこであの場にA戻すのも嫌だ」


「別にさっきだって隣にいなかったじゃん」


「あっれ〜？ヤキモチ？」


「はぁ？違うからっ」


「ふはは、隣にいなくてもずっと見張ってたもん」








なんだかんだで私のことを気にしてくれてたこと。

なんだかんだで嬉しくなっちゃってる。

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