恋愛注意報

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「おはよー」


「おはよ、どうだった？」






出勤早々ニヤつくさっちゃんに
お客さんが落ち着いてるのを確認してから
グラスを磨きながら、今朝までの報告をした。






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「へぇぇ？！胸揉まれて？！」


「ばっ、声おっきい！！」







慌てて口を塞ぐと、可笑しそうに笑いながら
さっきよりも更にニヤつきだす始末。







「なによ、いい感じじゃん。
嫁問題も解決してたし？お泊まりなんてしちゃって」


「酔いつぶれてただけだし……、
ていうかそうだ、その先輩の家から帰る時にマンションの前で北山くんに会ったんだよね」


「えっ？北山くん？」


「うん、先輩のマンションの前にいたの、」


「俺がなに？」


「ぎゃっ！！！！！」








すぐ後ろから突然声がして
振り返ると、おはよーすって制服の腰エプロンを結んでる北山くんがいた。








「あ、お、おはよ」


「俺がなに？なんの話してたの？」


「いや、あの、

「北山くん今日の朝Aと会ったんだって？
どうだった？Aの男」






言葉を濁す私なんてお構いなしに
それそれは楽しそうに前のめりになったさっちゃん。






「ばかっ！私の男じゃないから！」


「えー、だっていい感じじゃ、

「客、呼んでるよ」








さっちゃんの言葉を遮るようにそう言った北山くんに
またなぜかニヤつきの眼差しを私に残しながら、オーダーを取りに行ってしまった。



残された私は
今朝のこともあったし、妙に気まずくて
もうピカピカで磨く必要もないグラスを無駄にゴシゴシしてみたり。








「今朝のやつ、彼氏なの？」






そんな空気を破ったのは北山くんで。






「違うってば、高校の時の先輩」


「……ふーん。」


「北山くんこそ、なんであんなところにいたの？」


「なんでってあそこ、俺んちだし」


「えっ？！」






ってことは、
まさかの藤ヶ谷先輩のマンションの目の前？！

なんかそれって先輩のとこに行きずらい…、
って、私また行く気満々じゃん！
(ひとりツッコミ)







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「あ、てかさ。
明後日からの研修、俺が一緒行くことなったからよろしく」


「え？橋本くんは？」


「インフルエンザだって。
一人でも社員がいればバイトも行っていいらしいから俺が立候補しといた」








明後日からの、社員研修という名の二泊三日のお泊まり。

今年の研修は
何かが起こりそうな予感。

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