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「ねぇ、なんで部屋にまで来るのよ」
「だって家に帰っても暇だし〜」
「私は忙しいんですけどっ」
「うっそだ〜」
文句を言う私を気にする素振りもなく
ドカッと部屋のソファに居座っちゃって
本棚のマンガ本に手を伸ばした。
───瞬間、
テーブルに置いてた私の携帯が鳴って
裕太がひょこっと覗いてそのまま手にした。
「だれ?知らない番号じゃない?」
「ちょっ、勝手に見ないでよ!」
私に見せてきた裕太の手から携帯を奪い取ると
画面には知らない番号の着信。
「……誰だろ?」
「俺出たげよっか?」
「……いや、いい。大丈夫」
楽しいものでも見つけたかのような裕太に嫌な予感を感じて
少し距離を取ってから画面をそっとタップした。
.
「……もし、もし……?」
携帯の向こうからは小さくアナウンスのような音が聞こえて、
「あ、もしもし?」
そのアナウンスを遮るように聞こえてきた声は
少し低くなってらいるけどすぐ分かった、懐かしい声だった。
「藤ヶ谷先輩…?」
「お、当たりー。よく分かったね」
久しぶり、って耳に響くその声は
私の中を一気にぴんく色に染めていくようなそんな感じ。
「先輩、どうしたんですかっ?
お仕事で海外に行ってたはずじゃ」
「今日ね、日本に帰ってきてさ。
これからこっちで働くことになったんだよ」
「えー!ほんとですかっ?!」
「うん。
今空港に着いて、一番にAに連絡した」
「えっ……、い、一番に……?」
「A明日誕生日でしょ?
たから一緒にお、────プツッ、
「えっ、」
突然途切れた先輩の言葉。
手にしてたはずの携帯がなくなってて
後ろを向くと、裕太が私の携帯を手にむっとした表情で立っていた。
「なにするの?!」
「別に。漫画読むのにうるさかったから」
「はぁ?!」
「静かにしてよ、集中できないじゃん」
「静かにしてよ、ってここ私の部屋なんだけど!」
「・・・」
「なんなの、もう……、」
相変わらずむっとしたまま
またソファに深く座り込んで、携帯をポイッと私へと投げつけてきた。
「わ…っ、」
「藤ヶ谷先輩って、高校ん時のあの先輩でしょ?」
「うん…、そうだけど?」
「俺アイツ嫌い。」
今日起きた出来事は
これから始まる、波乱の一年の幕開けだった。
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はちみつみゆ(プロフ) - かおたまさん» コメントありがとうございます!玉担さんなのですね、どうしよう…裕太をもう振ってしまった…あわわ。でも先輩にも北山くんにもキュンキュンしてもらえて良かったです!なるほど、それぞれの結末ですね〜私もそうしたいのですが、余力があれば書いてみますね! (2021年6月2日 22時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
かおたま(プロフ) - 北山くんの主人公ちゃんのために早く大人になりたいってとこにキュンキュンしちゃいますが玉担なもんで裕太も捨てがたいからのでも藤ヶ谷先輩にも甘〜く愛されたいし〜ってなって選べません(笑)それぞれのルートの結末が見たいです! (2021年5月30日 11時) (レス) id: ca2b33aabb (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - あきさん» あきさん!参戦したのですね?!もうコメから興奮が伝わってきて私までギャーってなってます!笑 やられました?北山さんに抱かれました?笑 ほんと色気増してます!留まることのない色気に好きが増して時々怖くなりません?!(爆)移行先でもよろしくお願いします♪ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ちょうすけさん» やっぱり北山くんですよねー!裕太も一応気持ちを伝えたのであとは藤ヶ谷先輩これから頑張ってみます^^*上手く書けるか不安なのですが移行先でもよろしければ遊びに来てくださいね。涙 少しずつ気持ちを変化させながら更新していきたいと思います♪ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - そしてこの流れで(笑)やはりみっくんに1票です!笑本当に、年々色気が増していっている気がする(//∇//) (2019年5月7日 0時) (レス) id: 8dc069f5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年2月21日 20時