恋愛注意報

１１ ページ11

.



「はい、誕生日おめでとう〜！」


「わ、ありがとう！」







次の日仕事に行くと
同期の仲良しなさっちゃんに一日遅れのプレゼントを貰った。







「どうだった？昨日の誕生日は」


「どうもこうもないよ、波乱に満ちてた」


「え？藤ヶ谷先輩とかいう人は？」


「……それは聞かないで。」


「あ、もしかして奥さんいたとか？」


「………？！？！」


「やっぱりね。
イケメンでかっこよくていいとこに勤めてて、って
既婚者じゃないはずないもんね」


「ねぇ、それ早く言ってくれない？」


「だってまさか本当にそうだとは思わなかったし〜」







そうだよね。

よくよく考えてみたら
あんないい男がフリーなわけない…。
なんでフリーだと思い込んでいたのか、自分。

あれから勝手に帰ったのを心配してメールが来てたけど
ごめんなさい用事があって、としか返信もしてないし
これっきりかな…。






.





「あ、でもね。
その後に北山くんと会ったの」


「へ？なんで？」






北山くんというその言葉に
更衣室のロッカーをバタンと閉め、前のめりになりだした。







「公園でひとりでヤケになって飲んでたら
北山くんがちょうど通りかかって」


「……うわ、」


「危ないでしょ、ってやけに女の子扱いされてさ…」


「ほぉ。」


「お酒入ってたからかな？
やけに距離が近かったというか、ビックリしちゃった」


「………え、それだけ？」


「え？」






それだけ、とは？






「なんかこう、ドキドキーとか
久しぶりのときめきーとか」


「えー？北山くんに？
やだ、そんなの犯罪じゃない」


「・・・」


「今日面接なんだって。
北山くんてすごいよね、あんな見た目だけど
小学校の先生になるって頑張ってるし」







あんなチャラくて先生になんてなれるのかな？ってとこが疑問だけど
根は真面目だし、子供好きだし…
っていうか、北山くんが子供みたいだから向いてる気もする。








「さ、今日もがんばろー！」









みんな夢に向かって頑張ってたり、
結婚して家庭を持ったり、
いいとこに就職して頑張ってたり。


それに比べて私は今まで何をしてただろ。

なんの収穫も進展もないまま
年齢だけが大人になって、私が置いていかれてる気がする。

１２ 玉森side→←１０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す