欲しい愛と、知らない恋 ２

５６ ページ7

.





「…あー…そこ気持ちい…」


「ここ？」


「ん、あー、そこそこ」


「固いですねぇ」


「凝ってっからな〜」









全体重をかけてひろの腰を揉んであげて
うつ伏せだからか、くぐもった声を出すひろが
あまりにも色気を含む声色で、無駄にどきどきする。









「…んぁー…いい……、」


「わたし、上手？」


「おう、割といいセンスしてる」


「ほんとっ？やったー♪」







褒められて機嫌よく更にモミモミしていると
あといいよ〜、って

そのまま寝転びながら
ひろの手のひらが私の跨ってる太ももに触れた。









「じゃ、じゃあ終わるね…っ、」








ドクン、ドクン…、
とその手のひらの感触にまた心臓が跳ねる。


意図的に触れてるのか
偶然触れてるだけなのか。


ショートパンツの部屋着だから
直に触れちゃってるその男らしい手に
さり気なくひろから降りようと足を退けると──








くるっ、と反転したひろが仰向けに寝転がった。









・・・え？









.









キョトンと
ひろの横で間抜けな格好で間抜けな顔をしてると、









「ん。」









って、仰向けのまま私に向けて両手を差し出した。



マッサージで眠くなっちゃってるのか
少しトロンとしたその目が
また色気を増長させてる。









.









「な、なに…？」


「おいで。
マッサージしてくれたからご褒美やるよ」









おいでーって、急かすように腕をゆらゆらさせるから
それに吸い込まれるように
座ったまま、上半身だけひろの胸元に体を寄せた。









.









「何してほしい？」








トクトク…、と心地よく聞こえる心臓の音と
優しくて甘い少し掠れた声。



遠慮がちに寄せてた体を
腕を回して、更に密着させた。

５７→←５５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す