欲しい愛と、知らない恋 ２

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仕事が終わってご飯も用意して
あとはひろが帰ってくるのを待つだけ。








じーっ。と
寝室のベットを眺めること五分ほど。









「・・・」









昨日このベットで彩月さんと
一緒に寝たわけじゃないよね？

髪の毛が落ちてないか、とかくまなく探そうと思ったけど
その姿があまりにも情けない気がして直前で留まり
リビングへと戻った。









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＊＊＊＊＊

「ただいまー」


「あ、おかえりっ！」






その直後、すぐに帰ってきたひろ。

リビングに入ってくるなり
じゃーん、と得意げにおっきな白い箱を掲げて見せた。









「シュークリーム？！」


「そっ。
飯食ったら一緒に食おうぜ〜」


「やったー♪
ご飯は用意してますよっ」


「お、いいねぇ〜」









箱を受け取ってキッチンへ向かうと
そのままひろもあとを着いてきて、ひょこっと鍋を覗いた。









「鍋？」


「うん、すき焼きだよ」


「うっしゃー！肉！」


「ふふ、早く手洗ってきて」


「あーい」









乱雑に上着を脱ぎながらソファにそのまま放っぽいて洗面所に向かうひろに
ちゃんと片付けなよー、ってハンガーにかけてあげて。









・・・あれ？

なんかこんな普通のことにも幸せ感じちゃってるんだけど。









「食お！腹減った」


「…あ、うんっ」









考え込んで立ち尽くす私の横を抜けて
温めておいたすき焼き鍋を、おっきなミトンを手につけてテーブルに運んでくれる。

そして私は卵とお皿の準備。









「「いただきまーす」」









いつもの定位置での手を合わせての
”いただきます”。









はふはふしながらおいしそうに頬張るひろを見ながら
私もひろと同じご飯を頬張って。






温かいこの関係を
誰にも邪魔して欲しくないのに…。

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