欲しい愛と、知らない恋 ２

８６ 玉森side ページ37

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「おっはよーん」


「おはよ」








会社に着くともう仕事に取り掛かってるミツがいて
スムージーをチューチューしながらそのデスクに近付いた。









「お前なんで昨日メール返さなかったんだよ？」


「え？返したじゃん」


「あのスタンプ一個で返したって言えんのか？！」


「言えるもん」








てか、ミツが送りすぎなんだしー。

平然としてる俺にため息をついてから
またデスクへと目線を伏せた。








「……まぁいいけど。
Aは？大丈夫だった？」


「大丈夫かどうかなんて
さっき電話で確認してたじゃん」


「……そうだけど、」


「あっまーい声出しちゃってさっ」








その無駄に甘い声のせいで
Aが途端にトロンととろけてたのも面白くないっ！

じとっ、とストローをくわえたまま睨むと
なんだよ、ってそのまま立ち上がり
資料を胸元に押し付けられた。









「それ、例のお姉さんとこ届けといて」


「え〜？また〜？」


「何かしら理由つけて玉ちゃんに会いたいらしいんすよ」


「ま、いいけどっ。
それよりもミツは？
彩月姉ちゃんとどうだったの？」









”彩月姉ちゃん”って言葉に反応して
そのまままたデスクの椅子へと座った。









「どうだったも何も、別に何もねぇけど」


「うっそ」


「うそ、ってなんだよ。」


「彩月姉ちゃん、俺には一言も連絡よこさないのに
ミツにだけ会いに来たんだよ？」


「……へぇ、」


「なんでだろうね〜？」









分かってるんじゃないの？

何かあったんじゃないの？

二人のことを小さい頃からずっと見てきたからこそ
ちょっとしたそういう変化も分かっちゃうんだけどな。









「…知らねぇよ。
ほら、仕事しろ仕事っ」




「はーい。」









ほんと嘘が下手だな、ミツは。


あーあ。
シュークリームとかマカロンとかでミツに誤魔化されてる場合じゃないと思うよ、A。



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