欲しい愛と、知らない恋 ２

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「ミツに電話してみよっか？」


「え？」


「まだ部屋に彩月姉ちゃんいるか聞いてみてあげるよ」








私の不安を読み取ってくれたのか
早々にテーブルの上にあった携帯を手にして
プルルル…、と電話をかけてくれた。


その微かに聞こえてくるその音に
無駄にドキドキしちゃったりして。









────はい、







五秒ほどすると玉ちゃんの電話越しにそんな声が聞こえてきた。









「あ、もしもし？ミツ？」


「どした？」


「あのさ、まだ部屋に彩月姉ちゃんいる？」


「いや、いねぇよ？
俺と一緒に出たから」


「そっか、分かった」








”俺と一緒に出たから”

その聞こえてきた言葉に
朝まで二人が一緒にいた事実を改めて実感させられて
また原因不明の胸の痛み。









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「はい、ミツがちょっと話したいって」


「え？」









胸の痛みに胸元を抑えていると
不意にそう言って携帯を渡されるから、戸惑いながらも受け取った。







何を言われるのかなぜだか怖くて手が少し震える。









「……もしもし？」


「あ、A？」









一晩聞いてないだけのその声がたまらなく愛しくて
もう今すぐにでも会いたくなる気持ち。









「…どうしたの？」


「ちゃんと寝れた？」


「…うん、」


「朝飯くった？」


「ううん、今これから食べるよ」


「ふは、相変わらず起きんの遅せぇな」


「…ひろが早いんだよっ」









何でもないこんな会話が嬉しくて嬉しくて。









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「今日、家で待ってて」


「え？」









途端に甘くなった声。

電話越しだからか、いつもよりも甘く感じる。









「ご褒美にシュークリーム買ってってやるから」









物で釣ろうとしてるひろに思わず笑っちゃうけど
今日は会えるんだ、って期待に嬉しくて。









「シュークリームじゃ足りない」


「えー？」


「マカロンとプリンもねっ」


「また太、

「うるさーい！」









彩月さんのことはまだモヤモヤするけど
とりあえず今日は、ひろに甘やかしてもらうんだ。

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