欲しい愛と、知らない恋 ２

８１ 玉森side ページ32

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「ねぇ、起きて？襲うよ？」


「う〜ん……、」


「うん？襲ってもいいの？」


「……ん…、？」









グッと自分の方へと引き寄せて抱き締めれば
また薄く開いた瞳が俺を捉える。

これ絶対ミツと俺を間違えてると思うわ。

いつもこうして一緒に寝てんだろうな〜、ペットとして。








じっ…、と見てると
だんだんと瞳が揺れてきて、俺をはっきりと捉え始めた。









「……？！？！」


「起きた？」


「た、玉ちゃんっ？！」


「ほんっと無防備なんだから〜」









ようやく意識が正常に働き出したのか
慌てて俺から退けようとするから、更に強く引き寄せる。









「…ねぇっ、離して…」


「なんで？」


「なんでって…、駄目でしょこんなのっ」


「ミツとは毎日してるのに？」


「……なっ、」







あ、黙った。








「チューとかもしてたりする？」


「えっ？！」








……してるんだな、この反応は。








「凄いね、もはやペットの域超えてんじゃん」


「……そんなことないよっ。
ペットにだってチューはするでしょ？」


「……まぁ、確かに。」








そう言われてみればそうだけども。

でもどうせミツのことだから
えっろいチューしてんでしょ？









「じゃあ俺にもチューさしてよ」


「なんでよっ、やだ」


「けちっ」


「玉ちゃんはご主人様じゃないもん」


「そのご主人様が今この瞬間
他の女の子を抱いてるかもしれないのに？」


「・・・」


「ペットとしてぬくぬくしてるだけじゃなくて
ちゃんと現実見ないと」








途端に唇を噛み締めて何も言えなくなったAに
罪悪感がひしひしと。

ちょっと言いすぎた…？



内心オロオロしながら無意識に強く抱きしめてると、









.







「……分かってる」


「ん？」








俺の胸の中から小さく聞こえてきた声に耳を傾けた。









「今日はありがとう…、迎えに来てくれて」








助かりました、って
Aからも少し俺にギュっとしてくれたから
思わず顔が緩む。


そんな姿が可愛すぎて悔しいから
ミツから大量の心配メールが届いてたことは
教えてやんないんだー。




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