欲しい愛と、知らない恋 ２

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「さっ、寝ようよ」








Aも凹んじゃったことだし、って。

腕を引かれて私を立ち上がらせたところで、







「あ、」


「え？」


「まだ俺シャワー浴びてなかったから
ベットで先に待ってて」


「……はい？」









当たり前のように私にそう告げて
自分は浴室に向かおうと背中を向けるから
慌てて声を大きく声をかけた。









「どういうこと？」


「へ？」


「先にベットで、って何…？」








ベットが二つあるのかな？

まぁこれだけ広い部屋だと有り得なくもないけど、






「一緒に寝るでしょ？」


「……え？」


「凹んじゃってんだもん。
一緒に寝て俺が元気づけてあげよーう。」







だから待ってて、って半ば無理やり寝室まで背中を押されて
どーん、とベットへと押し倒された。









「ひっ、？！」


「寝ないでよ？」









ふっかふかのおっきなベットの上
体を跨がれ、顔の横に手をつかれて
至近距離。

リビングの明かりだけが差し込むその部屋は薄暗くて
玉ちゃんの顔がぼんやりと目の前に。









「や、っだ、！」


「待っててよー。
じゃなきゃこの部屋から追い出す。」


「追い出す？！」


「追い出されたら行くとこないでしょ？」









ニッコリと脅迫じみたことを言いながら
更に近付く玉ちゃんの顔に
有り得ないくらいに心臓がドキドキ言ってる。


香水なのか、フェロモンなのか
とってもいい香りに包まれてクラクラするし……、









「わーーーかったから！！」


「待ってる？」


「待ってる待ってる！
だから退いてーー！！///」


「おーし。いい子だ」









ようやく退けてくれた玉ちゃんに
すかさず慌てて私も起き上がった。



ドッドッドッ…、って
心臓が口から出てきそう。







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「じゃ、いってきまーす」









そんな私とは裏腹に
足取り軽く浴室へと向かった玉ちゃんに
大きくひとり項垂れた。








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「なんっなの、ほんと……、」









急に男を出してこないでほしい。

見た目の可愛さとか緩さで普段はあまり見えないけど
やっぱり玉ちゃんも男の子。



力の強さ、香り、体の大きさ。

近付かれるとドキドキ高なってしまう気持ち。




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