欲しい愛と、知らない恋 ２

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「じゃあ二人は学生時代とか
誰とも付き合ってなかったの？」


「いや、付き合ってたよ？
でも最後に一緒になるのはきっと
お互いがお互いしかいないんだ、って信じてたんだと思う」


「…すごいね、」


「まぁ詳しい二人の歴史は知らないけど
俺が知ってる事実と見てきた中で感じたことかな、これが。」









確かにいくら玉ちゃんから聞かされたって
二人のことは二人にしか分からなくて
きっと長い間築いてきた強い絆があるんだと思う。

でもそこまで信じあってたのかもしれないのに
どうして彩月さんはそんな簡単に結婚なんて…。







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「彩月姉ちゃんはもしかしたら
今でもミツが自分のことを奪ってくれるのを待ってんのかもね」


「え？」


「まぁ、これは俺の憶測だけど」








ふにゃ、って一気にいつものタレ目笑顔になって
向かい合う形から体勢を変えて、ソファ下へと足を下ろした。








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そっか、そうなのかな。

そうだとしたら、ひろは今腕の見せどころなんじゃないかな。


会社を立ち上げて社長になって
立派すぎるほど立派に、彩月さんを守っていけるようになった今
奪いに行かない理由なんてないんじゃ…。


そもそも、会社を立ち上げたのも
彩月さんの為だったのかもしれないし……、








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「ど？打ちのめされた？」







俯いて分かりやすく落ちてしまった私に
隣からひょこっと顔を覗きこまれて、

きゅるん、ってしてるその子犬みたいな目に
素直に頷かずにはいられなかった。









「……何なんだろね、この気持ち。」









嫉妬。ヤキモチ。



・・・ううん、違う。



ご主人様を取られるんじゃないか、っていう
不安から来るだけの気持ちなのかも。






このモヤモヤしている心につかえてるものが
自分の気持ちなはずなのに
自分の事じゃないみたいに、全然分からない。




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