欲しい愛と、知らない恋 ２

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───チッ、チッ、チッ……







・・・ね、寝れない。



時計の音だけが響く静かな寝室。

ベッドの中で目を見開いた。






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あれから本当に何もしてくれずに私から離れると、

普通にお風呂に入って
髪の毛を乾かしてくれて
二人でアイスを食べて
おやすみのキスもなく抱き枕になって眠りについた。






その触れ合ってる部分にまた反応して
身体が熱を持って熱い。








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「……ひろ？」









すっぽりと抱きしめられてる胸の中から顔を上げてそう呼ぶも、









「…ｚｚｚ」









口を開けて、完全熟睡。





私だけがさっきの出来事で悶々として
全然熱が引いてくんない。


普通逆じゃない？！

普通はこういうの、男の方が悶々と我慢できなくなるもんでしょ？

それなのにこんなに平然と熟睡しちゃって……、









「・・・」









まぁ、でも当然か。

私はペットなんだから
女として見てもらえてないんだろうし。

ペットとしての制約を守ってくれてんだもんね。









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・・・でもやっぱり寂しいなぁ。



これは想像以上にしんどいかもしれない。

初めてだもん、こんな思春期男子みたいな気持ち。








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スースー…、と聞こえる規則正しい寝息と
トクトク…、と聞こえる安心する鼓動。



この悶々とした気持ちを誤魔化すように
目の前の胸元に強くギューっと抱きついて
またゆっくりと目を閉じた。







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「……おやすみ、ひろ。」









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あったかい温もりの中
次第にウトウトと意識を手放そうとした瞬間、








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──おやすみ。









って、優しい声が耳元で聞こえた気がした。








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