欲しい愛と、知らない恋 ２

６６ 北山side ページ17

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「おっにくー！！」


「好きなだけ食え食え」






そして、機嫌を直せ。
っていう意をひっそり込めて。







「あれ？ていうか、玉ちゃんは？
一緒に来るって言ってたのに」


「ああ、あいつ取引先のお姉さんにお持ち帰りされた。」


「お持ち帰りっ？！」


「一緒にご飯行ってくれなきゃ契約更新しないからねっ！
って駄々こねられて」


「……イケメンも大変だね」


「な。
イケメンなだけじゃなくて、誰にでも好かれるからさ。あいつ」







一応玉も社長っていう肩書きではあるけど
難しいことは俺。
ここぞという時の契約時には玉。

っていうのがパターン化してて
それでうまく会社も回ってるし
ほかの社員も少ない人数ではあるけど優秀だし。







「ふーん……、あ！このお肉食べたいっ」


「おう、いいぞ」


「これも……、わ、高っ！」


「いいから気にしねぇで注文しとけ」


「やったー！」






ありがとう、って嬉しそうにお肉を選ぶその姿に
機嫌は直ったな、って安堵。

そもそもなんであんなに機嫌悪くなったのかが分かんねぇけど
肉で機嫌直しちゃうあたり、ペットだなやっぱ。








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「ひろが焼いてくれるの？」


「うん、俺焼きたい人だから」


「おお〜いいですねぇ」







沢山運ばれてきたお肉たちに
トングを持って焼いてあげる俺に
んーっ、てめちゃくちゃおいしそうに食べるペット。

なんかやっぱりこういうのいいな。

日々の仕事の中でこういう癒しがあるだけで
全然気持ちが違う。









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「ほら、ひろも食べようよ」


「わ、ばかお前っこれまだ食いどきじゃな、

「いーから、食べて食べてっ」







適当な焼き加減で渡されたお肉に
あーんされたから、しょうがなくかぶりつくと
おいしいでしょーってデロデロに笑ってくれて。





こんな穏やかな時間を壊さないためにも
ちゃんとペットとして扱わないと。


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