欲しい愛と、知らない恋 ２

６５ 玉森side ページ16

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「反抗期？」









酔っ払いAの翌日。

出勤してくるなり、浮かない顔でコーヒーを啜った。








「そうなんだよ。
昨日寝る時とかちょー機嫌悪くて」


「何かしたんじゃないの？」






ミツって鈍感だし。
って言葉を飲み込んどいた、一応。







「いやー別になんも？」


「じゃあ言ってみて、機嫌悪くなる前の行動」


「行動〜？」








んーっ、て考え込みながらディスクにもたれ掛かるミツに
俺はぐでーんと社長室のソファに座り込んだ。








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「昨日珍しくAが酔っ払ってて」


「うんうん、」





知ってる、知ってる。
かなり酔っ払ってた。






「風呂一緒に入ろ、言われて」


「えっ？！」






風呂っ？！

想定外のその言葉に思わず声を上げると、






「いや、結局入ってねぇよ？」






落ち着けよ、と言わんばかりに苦笑いした。







「つーか、あっちから入ろって言ってきたくせに
いいよ、っつったら怒った」


「……いいよ、って言ったの？」


「おん。」







・・・それだよ、それ。

一緒にお風呂入ろう、に対して平然と承諾なんてされたら
ペットといえど女の子なんだし
色々と複雑な気持ちもあるだろうに…。






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「ほんっと、鈍感だねミツは」


「はぁ？」


「てかさすがにダメでしょ、一緒にお風呂は」


「いやまぁ、俺もちょっと考えたんだけどさ」


「絶対、男として反応するよ」


「うーん、まぁそれを試したかってのもあるかな」


「試したかった？」


「あいつに反応するかどうか。」


「反応したらどうすんの？」


「うーん、つーかもう……、」




「え？」







急に言葉に詰まったからソファの背もたれから顔を出せば
気まずそうな顔したミツと目が合って、








「………なんでもねぇ。
ま、とりあえず今日機嫌取りにうまい肉食わせに行くからさ」








玉も行く？って誘われて
しょうがないから行ってやるか。って言ってやった。








Aもなかなか鈍感そうだけど
ミツも女の子に対しては相当なもんだし
苦労するわ、こりゃ。




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