Jr. 短編集《 キミの夢を見ていた 》

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渡「 おはようございまーす、」


めちゃめちゃ眠い。
今何時だと思う？7:30だよ。眠すぎる。


『 ちょ、翔太くん、寝癖やばいですよ？ 』

『 ふっかさん！見て！翔太くんしんどいほんまに 』


4人がSnow Manに加入して早1年。距離はものすごく縮まった。
そう、縮まったのはいいこと、なんだけど。


『 にしてもやっぱお肌綺麗やなぁ 』


渡「 っ近い、」


康二といいAといい、関西組は距離感がバカなのだろうか。
追い討ちをかけるようにスキンシップも多い。
康二はまだ男だから何ともないけど、
Aも康二に負けないくらいスキンシップが激しい。
そのせいで、いつも俺ばっかりが柄にもなくドキドキしてしまう。


『 翔太くん照れてるん？』


首を傾げて言うAは、俺や阿部よりもあざといと思う。
まあ本人は無自覚というか、、。
関西弁というのもまた、可愛さを加速させる材料だ。



渡「 飲み物買ってくる。」


冷静になりたくてそう言ったのに


『 あ、私も！』


全く意味がない。


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廊下をしばらく歩くと、スタッフさんの声がしてきた。


「 咲野Aだっけ？女のくせに、ジャニーズだからって、ねぇ。」


俺にも聞こえたんだから、もちろん隣を歩くAにもしっかり聞こえていた。
腹が立って声の方へ向かおうとしたら


『 翔太くん、大丈夫やから。』


って、俺の腕を掴んだ。


『 こんなん、慣れてるよ。気にしたら負けや。』


嘘だ。強がってる。
あの時見た顔と同じ顔で言われても説得力なんかない。


渡「 お前は強いよ。だけど、弱いところも見せて？」


だって、同じグループなんだから。
そういってAを抱き寄せて髪を撫でた。
ずっと我慢してたんだよな、苦しかったよな、泣きたいときは泣けばいい。
辛いときは辛いって言えばいい。
俺が、俺らが、側にいるから。



『 っ、ごめん翔太くん、服濡れちゃった 』


渡「 ん、平気。楽屋戻ろ。」


『 え、翔太くん飲み物買ってないで？ 』


渡「 あ。」



そう、笑ってればいい。
君には笑顔が一番よく似合う。


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歌番組の収録が終わった。


『 翔太くんの歌声って、ほんま綺麗やなぁ 』

『 ずっと聴いときたいくらいやわ。』


そう言ってくれるから



伝えたいこと

言葉じゃなくて歌に託すよ



その笑顔が輝くその日まで。



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