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渡「 うわ 、、すご 」
初めてAを見たのは舞台を観に行ったときだ。
ジャニーズに女の子がいるという噂は聞いていたけど、まさか本当にいるなんて。
周りの男たちに歌もダンスも見劣りせず、見事に演じ切っていた。
それから数年後、同じグループで活動することを知るのは少し先のお話。
__________
『 咲野Aです。よろしくお願いします。』
滝沢歌舞伎の稽古初日。
透き通るような声で挨拶をするAを見て、いつかの舞台上で輝いていた彼女を思い出した。
『 渡辺翔太さん、ですよね?初めまして。』
そっか、初めましてか、そういやそうだった。面と向かって会うのは確かに今日が初めてだ。
渡「 翔太、」
『 え?』
渡「 あぁいや、なんか、距離感じるから、さん付けやめない?」
これから一緒に滝沢歌舞伎を作り上げていくんだ。
それに、すこしでも緊張が和らいだらいいな、と思ってそう伝えた。
『 じゃあ、翔太くん。』
渡「 おう、」
ふわっと微笑むAに思わず見惚れてしまいそうになった。
『 ここはもっと、こうして、、そう!そんな感じです!』
『 足、痛めてますよね?一旦休んでください。』
『 そこは、こうした方がやりやすくないですか?…ほら!』
楽曲の振付を担当しながら、しっかり周りを見ていて、素直にすごいと思った。
「 うちの子、結構やるんすよ、ほんま。男顔負けっすわ。」
関西ジュニアの子が嬉しそうにAのことを話してくれた。
だけど、稽古を重ねてAも現場に馴染んできた頃、
聞こえてきたのは大人の心ない言葉だった。
「 あいつ、女のくせに、なんでいるんだろうな 」
声でけぇよ、、
そんな愚痴こぼしてる暇あるなら動けよ。なんて思いながら
ふと気になって、ちらっとAに目をやると
『 っ、…今のところ、もう一回いきます!』
何度も何度も言われてきたんだろう。
その度に超えてきたんだろう。
一瞬、苦しそうな顔をしたのを俺は見逃さなかった。
渡「 A、」
俺の声はあまりにも弱々しくて、Aには届かなかったけれど。
__________
その苦しみを分けてはくれないだろうか。
1人で抱えるにはあまりにも小さすぎる背中を見つめながら、
どこか儚いAの笑顔に
胸を焦がした
相変わらず 夢を見てる
君に、もっと、近づきたい。
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non. - みくさん» コメントありがとうございます!作者、丈くんにデレ期で。気合入れてしまいました笑 (2020年1月20日 23時) (レス) id: dd61c5edd7 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバすぎ!丈くんカッコよすぎ! (2020年1月20日 18時) (レス) id: e098bf8f94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non. | 作成日時:2020年1月16日 21時