55,幸せ ページ5
A「う〜…」
碧井「だいぶ飲んだね」
潰れて項垂れるAちゃん。
碧井「そろそろ寝る?」
A「うん…」
ベッドに移動する彼女。
A「碧井くんも」
碧井「うん」
部屋の明かりを消して、寝転がる彼女の隣に行く。
隣で寝ることに抵抗が無くなり
付き合えたのだと実感する。
A「ん…」
彼女の頬に触れる。
碧井「…キスしてもいい?」
A「…うん」
小さく頷いてくれた。
A「……んっ」
唇に触れると、少し彼女の体が強張った。
碧井「好きだよ」
A「う…っ」
碧井「ふふ、」
恥ずかしそうに布団で顔を隠される。
そんな彼女が愛おしくて、抱き締めた。
碧井「おやすみ」
そっと彼女の頭を撫でる。
A「……まだ」
碧井「ん?」
A「まだ、寝ない…」
何か言いたげに、俺の服を掴んでいる。
A「………もう、何もしないの?」
碧井「え?」
A「………」
彼女の言いたい事がなんとなくわかった。
碧井「…嫌だったりしない?」
A「……お試しで」
碧井「お試しでそこまでしていいの…?」
一応、俺達の関係は“お試し”だ。
それに彼女は元カレとの付き合いで
何かがトラウマになっている。
そういう事が原因かもと考えたのだが…
A「だめ?」
碧井「…っ」
そんな可愛い頼み方されたら断れるわけないよ。
碧井「……もし嫌になったら言ってね」
A「うん…」
彼女の体に覆い被さる。
碧井「…口開けて?」
A「ん……」
深いキスをしながら彼女の身体を触る。
A「んぅ…っ」
碧井「怖い?」
A「ちょっとだけ…」
碧井「怖かったら今日は無理にしなくても…」
A「違うの…!その、初めてだから…緊張する」
碧井「え…初めてなの?」
彼女から誘ってくれたから、
てっきり元カレと経験済みなのかと…
A「ごめん…。初めての女は面倒くさいっていうよね…」
碧井「ううん、そんなこと無いよ。…嬉しい」
A「ほんと?」
碧井「うん。初めてが俺って…なんだか特別じゃない?」
A「よかった…」
彼女は緊張しながらも、身体を委ねてくれる。
ああ…幸せでどうにかなってしまいそうだ。
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時