74,バレンタイン ページ24
約1週間後。
A「はい。
ちょっと早いけどバレンタイン」
倉木「おー、サンキュ」
A「マスターにも!」
マスター「ありがとうございます」
金曜日。
今日はAちゃんもいつも通りの時間にバーへ来て
少し早めのバレンタインチョコを配っている。
A「これは碧井くんの分」
碧井「ありがとう…!」
今までもチョコは貰っていたが
今回は箱入りだ。
倉木「わかりやすく本命だな」
A「そりゃーね」
“義理チョコ”から“本命チョコ”へ昇格した。
…嬉しくてニヤけてしまう。
あ、彼女は飲み友達だと思ってくれていたから…
“友チョコ”だったのかな?
まぁ…どちらにしても“本命チョコ”の破壊力はやばい。
倉木「じゃあ、お返しに俺からもプレゼントな」
そう言って倉木さんがお酒を作り出した。
倉木「バレンタインシーズンまで
あたためておいたオリジナルカクテルだ!どうぞ」
A「私好みの予感…!」
碧井「ありがとうございます」
チョコレートリキュールを使ったお酒のようで
確かにチョコ好きのAちゃん好みの味だ。
しばらく飲んでいるうちに
俺達以外のお客さんがいなくなった。
…そのタイミングで倉木さんが切り出したのは
倉木「…元カレに再会したんだろ?」
A「えっ」
水無瀬さんの話題だった。
倉木「先週、碧井さんから聞いたよ」
碧井「えっと…」
倉木「すみません、勝手に喋って」
碧井「いえ…大丈夫です」
倉木「“あの件”について、変化はあったのか?」
A「うーん…あるっちゃあるけど、無いっちゃ無い」
倉木「…というと?」
A「限定的に無い」
倉木「なるほどな。じゃあ心配いらねーか」
A「そうだねぇ…問題はあるけど」
倉木「そこはなんとかするしか…」
A「励みます…」
碧井「??」
二人の会話の内容が掴めない。
なんか…直接的な言い方を避けている気もする。
倉木「まぁ、何かあったら言えよ」
A「うん」
倉木「あれから会ってんの?」
A「会ったのは2回だよ。再会した日と先週」
倉木「連絡は?」
A「すごい来る」
倉木「そっか」
A「…今日も誘われちゃったんだよね」
碧井「……」
水無瀬さんとの事について
俺も気になっていたのは確かだ。
…やっぱり連絡とか誘いは来るよな。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時