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70,病人 ページ20

碧井「ぅ…」

A「すぅ……」

碧井「……ん?」

いつの間にか眠っていたらしい。

ここは、彼女の家だ。

ベッドに俺が寝ていて…彼女は床に寝ていた。

碧井「…あっ」

俺のおでこから何かが落ちてきたと思ったら
熱冷まし用の冷却シートだった。

碧井「………」

バーで飲んで…彼女に会いたくなって…
勢いで行動して後悔して……

その後、確かめちゃくちゃ酔いが回って

……彼女に声をかけられて
なんか……励まされながら歩いた記憶がある……。

碧井「…ごめんね」

寝ている彼女に向かって小さく謝った。

まともに歩けない俺を
家まで連れてきて、寝かせてくれたんだ。

碧井「床は寒いよね…」

部屋は暖房がついているとはいえ、
布団もかけずに床で寝てたら風邪引いちゃう。

Aちゃんをベッドに移動させる為
起き上がって、彼女を抱えようとしたけど…

碧井「う…っ」

ふらついて、力が出なかった。

結構寝た筈だが、体の熱さも目眩も治ってない。
それどころか怠さは悪化して頭痛までしてる。

碧井「あ…」

彼女をベッドに運ぶのは危険だと判断して諦めたので
掛け布団だけ、彼女に掛けたのだが

その時、
丸いテーブルに置き手紙が置いてあるのを見つけた。



『冷蔵庫に飲み物とかお粥とか入ってるから
起きた時に食欲あったら食べてね』



碧井「…っ」

彼女の優しさに、泣きそうになった。

テーブルの上にはレジ袋に入った冷却シートの箱や
体温計もある。

……熱があったのかな。

念の為、体温計を借りて計ってみたところ、38度もあった。

確か俺を運んでくれた時は
レジ袋は持っていなかったから…

また寒い中、買いに出てくれたのだろう。



A「あ…起きた…?」

熱を計り終え、テーブルに体温計を置くのと同時に
彼女が目を覚した。

碧井「ごめんね…色々と…」

A「体調は?大丈夫?」

碧井「あまり良くはないかな…」

起きて早々に俺の心配をしてくれる。

俺があの場にいた事については聞かれなかった。

碧井「移しちゃうと悪いから、帰…」

A「駄目」

……遮られた。

A「食欲は?お粥食べる?それとももう一回寝る?」

碧井「えっと……寝ます」

A「わかった」

碧井「あっ、でもやっぱり…Aちゃん床に寝てたし…」

A「病人は大人しく寝てなさい!」

碧井「…はい」

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設定タグ:オリジナル , 男主人公 , 片想い   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時

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