【prsk】キミ色のセ カ イにて。【短編集】

▽　向き合えず、すれ違い　寧々 ページ6

『寧々〜…？』

「ん…」
__________

『寧々ってば〜！』

「…なに…」
__________

『ねぇ〜…』

「…………」

『寧々ちゃーん！』

「あーはいはい…」
__________

…寧々ちゃんが…構ってくれない！！！
…ゲーム、楽しそうだなぁ〜…寧々ちゃんがプレイしているゲーム画面を見て思う。
寧々ちゃんがプレイしているゲームは某大乱闘激突兄弟なのだが…めっちゃ上手い。全然ゲームしない私でも分かる。めっちゃ上手い。
ちょっと前に対戦したことがあるのだが…結果はお察しの通り惨敗。
勝負にならないことは分かりきっているので、プレイしているところを横から見る…というのが最近のお家デートの鉄板になっていた。
ゲームをするのも見るのも楽しいので、気持ちは分かるのだが…私がいるのにゲームばっかりで流石に寂しい！というのが本音だ。
なので話しかけているのだが…返ってくるのは空返事ばっかり。なんだか心がモヤモヤして…

…これじゃあ、私だけが必死で馬鹿みたい。
ふと、そう思ってしまう。
…ダメだ、これ以上ここにいたら寧々ちゃんに当たっちゃいそう。

『ごめんね、寧々ちゃん。帰るね。』

「ん……ぇ？」

寧々ちゃんに一言伝えて家を出る。
__________
「…ぇ？」

呆然としてしまう。さっきまでAがいたのに…今は誰もいない部屋。
ふと、画面を見る。そこに写った1位の文字。いつもは勝てて嬉しいはずなのに、なんだか今は嬉しくない。

さっきまで、楽しそうだったじゃん…そう思ってハッとする。

…本当にそうだっけ？
私がゲームしてたとき…話かけてなかったっけ…？あれ、私ゲームばっかで…

もしかして嫌われたんじゃ……
…そんな不安が頭をよぎる。
そして、さっきのAの表情を思い出す。Aは笑っていたが、その笑顔は寂しそうで…心配させまいと笑っているような顔をしていた。

私のせいであんな顔をさせてしまった…
「…全部…私のせいだ…ｯ！」
Aに___謝らないと…！！
慌てて家を出て、Aを探す。スマホで連絡も入れる。

寧々今どこ

既読はつかない。…どこにいるの…？！！！探さなきゃ…！

「Aー…！！」
__________
続きます。

▽　すれ違い、向き合う　寧々→←▽？　フリーズされた人　瑞希

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