013 こっちの話 ページ13
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大貴｢Aさ、１週間経ったらおうちに帰るの？｣
｢え？………うん、｣
大貴｢いや、家出の理由とかはまあいいんだけど、その………帰っても、大丈夫なのかなって。｣
色んなこと、考えてくれてるんだと思う。親との喧嘩かなぁとか、ほかに頼れる人いないのかなぁとか。だってそうだよね。１週間家を離れるって相当なこと。しかも手ぶらで、無一文で。
大貴｢ちゃんと帰れる？帰りたいって、思える？｣
｢……、｣
なんとなく、返事ができなかった。
別にあっちの世界に不自由があるわけじゃない。待ってくれてる家族も、執事もいる。だけど、
大貴｢ま、まあ、いっか。１週間経ったら気持ちも変わるだろうし。｣
｢…うん、｣
わたしが黙ってしまったから、何かまずいことを聞いたんじゃないかってきっと焦った大貴くんは、そう咄嗟に口にする。
大貴｢ちゃんと、帰せるかな、俺。｣
｢…え？｣
大貴｢あ、ううん。こっちの話。｣
わたしが問いかけると、にこっと笑って交わされてしまった。さよならが寂しいのはわたしだけじゃないのかなって、まだ出会ったばかりなのに、小さな期待すらしてしまう。
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大貴｢疲れたでしょ、ゆっくり寝てね。｣
おやすみ、ってスタスタと自分の部屋に行ってしまった大貴くん。ひとりになって、ようやく気持ちが少し静まった。
はぁドキドキした。ずっと心臓がうるさかった。生まれて初めての経験に心が忙しい。
どういう意味だったんだろう。
帰せるかな、って。
手放したくないなんて、まさかそんなこと思ってないよね。たった一言で自惚れて、こんなに考えて馬鹿みたいだ。好きなのはわたしだけ。７日間の片想い。それで十分なのに。
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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます！大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (
レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます！いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2020年6月28日 15時
