スクラブ男子 2nd season (２)

098 揺れるスクラブ ページ49

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１階ロビーの外まで降りてきてくれた彼。









｢目立つよ、スクラブじゃ。｣






名取｢いいって、｣









お構いなしらしい。

見慣れた青いスクラブが、誰よりも光って見える。相変わらずインナーが派手だけど。シューズも聴診器も派手だけど。誰より優しくて、輝くあなたに、今日も惹かれていくんだ。









タクシーに乗り込み、ドアを閉める前に、わたしが抱きかかえた我が子のほっぺをツンツンとつついて微笑む彼。









名取｢気をつけてな。｣





｢うん。｣





名取｢じゃあ、｣









言いかけて、彼の胸ポケットのPHSが震えた。

いつものことだ。









PHSを取り出し、通話を始める前の一瞬。









名取｢………｣





｢っ、｣









ちゅ、と唇に短いキスが降った。

運転手さんにバレていないか、焦り始めるわたしを見て可笑しそうに微笑んで。ポンポンと頭を撫でて、PHSを片手に颯爽と走っていった。







前よりもずっとずっと大きく見える背中。

揺れるスクラブ。









わたしは、あなたと、腕の中のこの子と共に。

新たな人生をゆっくりと歩み出した。









｢スクラブ男子 2nd season｣

fin.









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