085 家族だから ページ36
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名取side
藍沢「わかった。持っていくもの準備しろ。」
芹沢「で、でも……ルール上、そんなことできませんよね?」
ったくお前は………入ってくんな。
言い返そうとしたけど、白石先生の「今はいいから」という目配せで準備に取りかかる。
藍沢「芹沢、お前の言う通りだ。安全確認が取れていない現場にドクターが入ることは許されない。」
芹沢「ほら、やっぱり」
藍沢「何故だかわかるか?」
芹沢「だって……患者を助けようとして、ドクターが危険な目に遭っちゃったら、元も子もないじゃないですか。」
藍沢「あぁ、正しいよ。ドクターは、自分の命を投げ打ってまで赤の他人である患者を救う必要はない。俺たちは、いつだって自分の命と患者の命を天秤にかける。どちらを優先するかなんて、言うまでもないな。」
芹沢「……だったら、」
藍沢「だが、その天秤は例外によって覆る。」
芹沢「……例外?」
藍沢「患者の命が、自分より大切な時だ。」
芹沢「っ、」
ドクターバッグと、緋山先生から預かった新生児蘇生用のキットを抱え、今にも瓦礫を持ち上げようとしている救急隊の後ろについた。
名取「岡本、聞こえるか?今から救急隊が瓦礫を持ち上げる。すぐ出られるように通用口付近で構えとけ。」
岡本「でも、Aちゃんが………」
名取「もう離れてもいい。Aはいいから、自分の準備をしろ。持ち上げてる10秒以内に、俺が交代する。」
岡本「…っ、交代って」
名取「大丈夫。………俺が助ける。」
ごくり、と唾を飲む音が聞こえた。決心したのだろうか。ここまでしてくれた岡本には悪いけど、俺はお前とは違う。それは、技術や経験どうこうではなくて。
………俺はそいつの、家族だから。
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しゅあ(プロフ) - 初コメ失礼します!もうハッピーエンドで安心致しました。うるうるしながら最終的に号泣でお話読んでました!最後の救命メンバーからの一言には少しクスッとしてしまいました(笑)本当にこの作品作って下さりありがとうございました! (7月23日 0時) (レス) @page50 id: d9ff4faa7c (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - 多分初めてコメントをすると思います!既に何回か読んでます!いつ読んでも感動しますし引き込まれます!山田先生も好きだったんじゃ…?って毎回思うのですがそこはもうそう思ってしまっていいのでしょうか(^ ^)?わら 続編書く気になりましたら楽しみにしています! (2022年5月22日 1時) (レス) @page50 id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
う - 復帰するお話が見たい (2021年4月18日 2時) (レス) id: 5513b83dfa (このIDを非表示/違反報告)
知念菜々(プロフ) - 完結おめでとうございます!!続編で育休が明けて病院に復帰する話が見てみたいです! (2020年2月9日 16時) (レス) id: 70738b0893 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 最後、なにがあっても幸せな形で終わる、です!誤字りました、、すいません、、 (2019年11月17日 23時) (レス) id: db28430fd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2019年1月19日 12時