050 隔離 ページ1
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名取side
私服に着替えて、空き個室に隔離。ふっと笑いがこみ上げるほどアホらしい。日本でエボラとか、あんのかよ。
名取「……………、」
なんだこれ。静かすぎて気味悪い。
救命の一角とは思えないほどの静寂が漂うこの部屋には、もう誰も入ってこられないし、もちろん俺も出られない。俺がこうなってなかったら芹沢さんがこうなってたわけだし、別に後悔とかしてるわけじゃねーけど。Aが知ったら、どう思うかなって。
ただでさえお腹が大きくなって大変な時。ましてや俺の自分勝手な行動で、心も体も疲れてるはず。こんなの知ったら、余計に落ち着かない。だから、
伊野尾「………ほんとに、連絡しなくていいの?」
名取「いい。」
防護具をつけて、食事を運んできた伊野尾が問いかける。
ここに入る直前、Aに連絡は入れなくていいと伝えた。家で休んでるだろうし、心配かけたくない。
伊野尾「……どっちがいいんだろうね、」
名取「ん?」
もうとっくに戻ったと思っていた伊野尾が、まだドア越しにいることを知る。
名取「まだいたのかよ、」
伊野尾「心配かけたくないからって黙ってられるのか、心配かけてもいいからほんとのこと言ってもらうのか。Aちゃん、どっちを望むと思う?」
…………いや、
名取「………負担かけたくねーの。」
伊野尾「いや、その気持ちはわか、」
名取「とにかく黙ってて。……もういーから、Aのことは。」
……そう、
って寂しそうに呟いた伊野尾が去っていった。
伊野尾「………ごめん、やっぱできないや。」
去り際、俺に聞こえないような小さな声で、そう呟いていたことも知らずに。
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しゅあ(プロフ) - 初コメ失礼します!もうハッピーエンドで安心致しました。うるうるしながら最終的に号泣でお話読んでました!最後の救命メンバーからの一言には少しクスッとしてしまいました(笑)本当にこの作品作って下さりありがとうございました! (7月23日 0時) (レス) @page50 id: d9ff4faa7c (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - 多分初めてコメントをすると思います!既に何回か読んでます!いつ読んでも感動しますし引き込まれます!山田先生も好きだったんじゃ…?って毎回思うのですがそこはもうそう思ってしまっていいのでしょうか(^ ^)?わら 続編書く気になりましたら楽しみにしています! (2022年5月22日 1時) (レス) @page50 id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
う - 復帰するお話が見たい (2021年4月18日 2時) (レス) id: 5513b83dfa (このIDを非表示/違反報告)
知念菜々(プロフ) - 完結おめでとうございます!!続編で育休が明けて病院に復帰する話が見てみたいです! (2020年2月9日 16時) (レス) id: 70738b0893 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 最後、なにがあっても幸せな形で終わる、です!誤字りました、、すいません、、 (2019年11月17日 23時) (レス) id: db28430fd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2019年1月19日 12時