33.〈出会いがあれば〉 ページ34
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『(懐かしいなぁ)』
二年前の事を少し思い出していたAは、懐かしむ様に微笑んでから視線を上げた。
彼女の目の前には、あれから紆余曲折はあったものの、結果的にはめでたく結ばれた恋人である中也が立っている。
「………理由は？」
『意地悪ですね。もう、判ってるんでしょう？』
少し困った様に笑うA。
��別れましょう��
つい先刻、彼女は自ら別れを切り出した。
中也とAは両組織間で唯一、恋人同士というかなり親しい関係にある。
愛する人を倒さなければ、長の命は守れない。
今のそんな状況で、己の長を守る為に本気で戦えるだろうか。
『仕事に私情は挟まないって約束、しましたよね。
でも中也さんの事は好きだし、探偵社の皆の事も好き。きっとこのままじゃ駄目だと思うんです。
………どちらか一方を、選ばなくちゃいけない』
絞り出した声は、僅かに震えていた。
愛する人と、守るべき人。
今までは、探偵社の顔と中也の恋人の顔を上手く使い分けて来た。
しかし……本気でぶつかり合う事になった今。
今敵組織の恋人と対峙しても、きっと仲間の足を引っ張るだけだ。
だったら─────この関係を切ってしまえば。
『……それに、何時かは終わる関係でしょう？』
中也がぴくりと反応する。
女子高生とマフィアの幹部。
何もかもが違う二人。
本来ならば、一生交わる事の無い線だ。
そんな二人が出会って恋に落ちたのは、最早運命としか云いようが無い。
しかし、それも何時か終わる時が来る。
出会いがあれば別れもある、とはよく云ったものだ。
Aは、最近になって限界を感じ始めていたのだ。
『…丁度良いのかもしれません。きっと、このタイミングで切らないと、この先ずっと微妙な立場に居なくちゃいけない』
若し、自分が探偵社に入らなければ。
自分の異能を制御できていれば。
こんな決断をせずに済んだのだろうか。
こんなに早く別れを選ぶことも無かったのだろうか。
そう考え出すと、堪らなくなる。
怒りなのか悲しみなのか後悔なのか、今自分が抱いている感情が判らない。
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奏翔 - とても面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2023年3月21日 20時) (
レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます！( ；ᵕ； ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです！ (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ﾟ+｡:.ﾟおぉ(*ﾟOﾟ *)ぉぉﾟ.:｡+ﾟめっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…😭更新頑張ります！ (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年4月28日 20時
